非モテ界における男性の虚構化戦略と女性の確率化戦略

非モテの俺と付き合えない女性は現実逃避している - Over the Rainbow -或るオタクの遠吠え-

多数のオタクが理想の高さゆえ萌えキャラ一人を嫁にしている状態、一妻多夫が現実逃避と言うならば、理想の高さゆえイケメンに3又かけてもらう、又はローテーションしてもらうと言う事実上の一夫多妻も現実逃避と呼ぶべきではないか?

自らと結びつけるタイトルと結論が不適切な気がするが、それは、「現実逃避」というより、「確率化戦略」と呼ぶ方が適切だろう。

以下、非モテと一極集中については、既に書いた関連記事を前提に話すが、要するに一部のモテが恋愛市場を寡占するという構造がある。そこで、オタクに見られるような、男性の虚構化戦略は目立つが、女性の確率化戦略は目立ちにくい。これは、人間は確率を正確に把握できないという、ヒューリスティックな認知の歪みがあるためだ。

男女は同じ位いるのに、なぜ男の非モテが目立つのか、女の非モテは不可視なのか、という問いに対して、一つの回答にもなっている。無意識に男を共有・分有して、断片から全体を補完する*1、すなわち、たまにしか会えないがつねに付き合っており、そういう関係が複数ある、というマルチスレッド化によって、水面下はともかく水面の上では一応上手くいっているように見える。

流動性の高まった社会における確率化戦略は、かなり以前から宮台真司が考えていた。先に男女を虚構と確率に分けたが、実はオタクも「お約束」の組合せパターンに分解するという点では、確率化の考えは入っている。また、狭き門のクリエイター業界を志望するのも、確率的であると言える。つまり、格差社会において、格差を隠蔽する一つの手段ではある。

*1:パラパラマンガをアニメーションにするように。あるいは、キャッシュからファイルを復元するように