DQN・信者・ヒッキー・オタクの厨房四大属性を分析する2

まえがき

まず、はてブのお便りを拝見します。


『面白そうなんだけどとっつきにくそう、あとでよく読もう。』
『何かよさ気な事書いてあるんだけど理解できないorz』
分かりにくいということで、連載形式で少しずつやろうかなとも。


『面白いなあ。/原因から読み始めるほうが分かりやすいかも。』
今回はあの順番付けから話を始めました。より形式的になってます。


『人生の取扱説明書を思い出した。』
人生テスト―人を動かす4つの力 これですね。
たぶんラカンのインスパイアじゃないですか。
もし知らなくても間接的に影響されてるはず。
岡田斗司夫から孫引きしても仕方ないですが、
一応対応関係を書いておくとたぶんこうです。


王様=DQN系
軍人=ひきこもり系
学者=信者系
職人=オタク系


『内容的にはラカンの四つの言説よりユングのタイプ論の方がしっくりくるかも。』
八つより四つの方が少なくて良いという。
それにたぶんラカンと何か共通してます。
あえて対応させてみるとこうなりますね。


外向・感情=DQN系
内向・感情=ひきこもり系
外向・思考=信者系
内向・思考=オタク系

おさらい

DQN・信者・ヒッキー・オタクの厨房四大属性を分析する (前回)

  • 1名前<2立場<3常識<4夢

(個体・特定集団・全体集団・全体)

  • 1真実→2能動→3受動→4生成

(自己裏・自己表・他者表・他者裏)
この二組・四種類の分析素を組み合わせて、

  • DQN系・ひきこもり系・信者系・オタク系

(以下、D・ひ・信・オに省略することもある)
の厨房四大属性を分類分析していくわけです。
この二組の分析素は、
いずれも不確実性の大きさ順に並んでます。


でも今回は、分かりやすくするために、
順番にだけ注目してみたいと思います。
あまり難しく考える必要はありません。
(以下の数字は複雑性・情報割当て量)

一覧表

DQN系 自己 他者
ひきこもり系 自己 他者
信者系 自己 他者
オタク系 自己 他者


マトリックスから見た各言説の順位一覧
自己・表 1ヒッキー<2DQN<3信者<4オタク
自己・裏 1DQN<2信者<3オタク<4ヒッキー
他者・裏 1信者<2オタク<3ヒッキー<4DQN
他者・表 1オタク<2ヒッキー<3DQN<4信者


各言説から見たマトリックスの順位一覧
D 1自己裏<2自己表<3他者表<4他者裏
ひ 1自己表<2他者表<3他者裏<4自己裏
信 1他者裏<2自己裏<3自己表<4他者表
オ 1他者表<2他者裏<3自己裏<4自己表


各言説のリソース配分一覧
D 自己3:他者7 表5:裏5
ひ 自己5:他者5 表3:裏7
信 自己5:他者5 表7:裏3
オ 自己7:他者3 表5:裏5

DQN系(体育会系)

自己 他者


D 1自己裏<2自己表<3他者表<4他者裏
D 自己3:他者7 表5:裏5
典型的セリフ「苦しいときに助け合うのが仲間ってもんだぜ」
・意外なことに自己中心的ではなく、他者に認められたい


DQNの特徴として、みなさんは単純(馬鹿)っぽさを感じるでしょうが、
それは自己・裏に対する割当資源の乏しさに由来します。一割しかない!
(注・この比率は適当です。スポンサーがいたら統計をとってもいいです)
他者・裏に四割も割り当てられていて、仲間や義理を非常に大切にします。


Dがギャンブルが好きなのも、単に金が欲しいのはもちろんあるとしても、
他者・裏=偶然性に自分が認められたいという欲望が潜んでいるわけです。
それは空間を浮遊する「音」として、表象されます。例えば暴走族の爆音。
パチンコ屋だとか繁華街も非常に派手で、だからCRエヴァは違和感がある。


他者にリソースの七割を当てる価値観は、すぐ結婚して子供をつくること
からも伺えます。また対人スキルがあり、接客業や営業とか向いています。
表と裏は同比率で、バランスが取れているので、精神的に安定しています。
そして王様(俺様)だとか外向・感情という分類にもあてはまるでしょう。

ひきこもり系(芸術系)

自己 他者


ひ 1自己表<2他者表<3他者裏<4自己裏
ひ 自己5:他者5 表3:裏7
典型的セリフ「いまの私は、ほんとうの私じゃないんだ!」
・やはり自己中心的ではなく、自己や他者の「裏」が気になる


ひきこもりは代表で、サブカルなどを含めた一般的な反抗者のタイプです。
内面を重視し、自己表にはなんと一割しか割当てない! だからヒキると。
実はひきこもりは自己中心的ではありません。自己犠牲的でもないですが。
自己と他者はバランスが取れているのだけれど、表と裏で葛藤するのです。


DQNの場合の他者重視は、無意味に暴れて目立とうとする面に悪影響が
ありましたが、ひきこもりの内面重視は、もちろんひきこもりにあります。
裏に七割も割り当ててるので、疑心暗鬼に陥りやすく、しかも四割が
自己の内面にあるので、自罰的・自虐的・自暴自棄的になりやすい。


DQNは自己裏を軽視しているのでヒッキーのようにウダウダ悩みません。
ちなみにオタクはいじめられていなくてもDQNが理解できず嫌いですが、
自分にない面を持っているので、「熱血」というフィルターで濾過して、
ロボットアニメなどで活躍させています。「ボンクラ」と対照的ですね。


ひ型の代表はやはりエヴァのシンジだと思いますが、
熱血→葛藤の移行は、DQN→ひきこもりであって、
誤解される他者→自己より、他者→内面の移行です。
他者→自己の流れは、ギャルゲ的な萌え化の方です。

信者系(理系)

自己 他者


信 1他者裏<2自己裏<3自己表<4他者表
信 自己5:他者5 表7:裏3
典型的セリフ「まだそんな非合理的なことを言っているのか?」
・すべてを表だけで割り切れたらいいと思っている


信者は、一般的な追随者で、文系もいますが、理系が典型的です。
研究職や技術職に向いています。主観的なことを軽視しています。
集団や議論は苦手ではなく自己と他者はバランスが取れています。
また、表側の比率が高いので、ひきこもりよりは安定しています。


しかし、信者型が不安定になるのは、己の信念が揺らいだときで、
このときに、厨房的な性質が現れやすくなります。(粘着だとか)
もともと他者裏にリソースを割くつもりがなく、感情を考慮する
のが非常に苦手です。すべてが割り切れたら、いいと思っている。


オタクが薄くなった云々の議論は「オタク」と呼ばれていた中に
議論が大好きな信者型の人間がいたが、それが萌えブームで分離
されてしまったということではないかと思います。両者は別です。
見分け方はひとえに他者・表を重視するかどうかに掛かってます。

オタク系(文系)

自己 他者


オ 1他者表<2他者裏<3自己裏<4自己表
オ 自己7:他者3 表5:裏5
典型的セリフ「ボクが好きな作品は〜で、キャラは〜で…」
・実は自己中心的で、他者は類型化して自己を投影する


オタクは他者を軽視します。だから近親の妹とか幼馴染が大好きです。
これはDQNがナンパするのと対照的です。またオタ部屋が汚いのも、
他者からの見た目を全く考慮しないからで、そもそもアニメキャラは
生きた他者ではなく、ファッションがダサかろうと文句も言いません。


なぜオタクが、オタクのコミュニケーションがキモイのかは、すべて
自分重視の傾向が根本的な原因です。DQNのように殴りあわないし、
ひきこもりのように真の対話を求めているわけではなくて、ただただ
自分が可愛くて、自分の好みが大事なので、言動は演技的になります。


大雑把にセカイ系ラノベはひ型で、萌え系エロゲはオ型になりますが、
両者間は全く断絶してるわけでもありません。オタクは倒錯者なので、
ひ型のヒステリーを消費することができます。ブログの炎上などでは、
馬鹿にしつつも親しみを感じたコメントが寄せられますが、消費です。


なぜそのようにアンビヴァレントに消費できるかというと、他者表を
軽視するので、パロって馬鹿にするけれども、自己と共通する部分で
親愛の情を示すわけです。難しく言うと内在的・鏡像的他者なのです。
自分を投影してるので、薄っぺらいアニメも楽しめるというわけです。

あとがき

分かりやすくなったかどうか分かりませんが、
今回は、大雑把な割合いの話をしてみました。
これからの展開としては、男女の違いだとか、
物語のキャラ造形だとか、いろいろあります。


連載にしてしまうと、不利な面もありますが、
なるべく単体で読めるよう配慮したいですね。
そしてもちろんツンデレとか、そういうので
ブレイクを狙うつもりなので、よろしくです。