アニメ雑感(一時的復活)
更新に追われる内に、もう一話ずつ書いても完全に追いつかなくなっちゃたんですが、途中経過というか、全体の印象を整理して書いておきます。放映が多すぎるので全部書ききれない…。
メディアミックス的な何か
- ギャラクシーエンジェる〜ん
- OPのノリが良くて(踊りならちょこsisの猫にゃんダンスが先だけど)今期一番良いと思うんだけど(歌だけならパンプキン・シザーズOPの高橋洋子の「蒼き炎(フランム)」とか良いけど)、本編がすげえつまんない。A・Bパート構成に比べて間延びするとか、ノーマッドみたいなツッコミ役がいないとか、色々理由があるけど、とにかく前シリーズまでに比べて全然笑えない。脚本が弱い気がする。漫才で静まり返ったり、幽霊の原因が説得力がないとか、そういうシーンがちょっと自虐的に見えてしまう。悪い意味での自己言及。しかし、どうせ笑いが取れないなら、それは目的にしないで、アイドルもの的な路線にすればよかったかもしれない。深夜にキャッキャウフフと延々戯れるみたいな…。キャラの造形ではシャーベット(青い髪の娘)が興味深い。女ばかりの隊の中での男役という役割なのだが、宝塚的なナルシシズムがちょっと入っていて、アイドルの回ではオチで一人でビデオを見ていたりして、展開次第では面白くなりそうな感じがする。が、現状では青vs赤でケンカする、という位しかない。
- ネギま
- そういえば前回のシリーズはどんなアニメだったっけ…。幽霊の子の回は良かったと思うけど、全体的にあんまり覚えてない。なんかハピマテばかり印象に残っている。いつも通る道の建物が更地になった状態はまだ何があったか覚えてるけど、新しく建物が建っちゃうと記憶から押し出されるみたいな。エロゲがつまんなくてもEDのI'veソングで形になっちゃうみたいに、最近のアニメは歌で持ってる印象があるんだけど、ネギまも歌がいい。1000%とかアリアとか。あとゲームもやたら出してるけど、やる暇がない…。作品本編は、ぱにぽにみたいな過剰演出が好みが分かれるかもしれないが、濃度が高い気がする。登場人物が多過ぎてよく分かんないけど、エヴァの特権化が軸になっているのか。それにしても、ネギまが夕方とか、何かテレ東の時間帯に対する感覚には以前から違和感がある。
- くじびきアンバランス
- くじアン。「うたわれるもの」とかもそうだけど、OPの歌が決まっていて、それで全体のイメージが保てる。極上とか速攻とか、そういう生徒会ものの系譜。兜律子が萌えの三割方位を占めているにも関わらず、物語中ではそんなに出番が多いわけでもない。要するに西部警察におけるボスみたいな存在か。デコだけが目立つ人物力関係とか、バランスが悪い気がするし、頭部が球のキャラデザインには違和感があるけれど、明確なキャラ立ちは成立していると思う。また毎回ソバを食べたりするところが、何となく昔のアニメとかドラマっぽい。それから、眼鏡の娘のロボット(1話)が「老人Z」みたいだという意見を見かけて、ああ〜そうかと少し思ったけど、もっと単純に「アラレちゃん」への先祖帰りなのかと思う。つまり、少女が生首になっても生きている幻想的な光景。
- らぶドル
- EDの方がOPっぽい。ハンコ絵で見分けがつかないよー的意見を見掛けるが、とうぜん心眼で見分けるもの。ボイスドラマに絵が加わったような感じだから、聞き分けるというか。この手のアイドルものアニメはどうしてもユルくなりがちで、何か「出来事」が生じたという緊張感がない。すなわち、アイドルとか大ヒットというお題目と、予定調和的な実際の印象がかけ離れてしまう。なぜそうなるかというと、結局のところ構造はシスプリみたいなハーレムと大差ないというのが原因だろう。だから例えば、1話ずつ誰かが敗れて去っていくというようなシビアなバランスであれば、視聴者にも緊張感が生じるだろうけど、何かと大人の事情もあるだろうし、深夜にユルいアニメをダラダラ見るのも悪くない。
エロゲ原作系
- 乙女はお姉さま(ボク)に恋してる
- 夜明け前より瑠璃色な
- キャベツでやっちゃった感が漂ったが、その後は意外と普通。しかし、すぐ2Dになる作画と、身分差を強調するシナリオのバランスがちょっと悪い感じがする。例えば、ゴキブリ騒動で家を破壊しておいて、その後は剣道で心が通じ合うみたいな。そういうなんでもありの展開で、かつ視聴者を納得させるには、ちょっと作画力が不足しているかもしれない。更に言うと、ヒロインのお姫様感が不足していて、カメラマンのジジイとか脇役たちも、あんまりお姫様を立てる方向に働いていない。その状態で(原作にない)ライバルの許婚が出てきてバトルが始まってしまうと、視聴者の置いてきぼり感がある。
ロボットもの
- コードギアス
- 今期の貴重なオリジナルアニメ。スタッフが豪華。OP歌も良い。竹P批判みたいなのもあって賛否が分かれると思うけど、かなり面白い。2ちゃんのスレも伸びているらしい。何かと無意味に虐殺するあざとい描写はあんまり好かないけど…。ギアスとデスノの共通点を指摘した意見があったけど、ピカレスク的なヒーロー像というのが、受ける余地があるのかもしれない。「反逆の」と副題が示すように、この前も主人公(のグループ)があっさり負けたけど、組織との戦いという切り口が緊張感を維持している。ややリアル寄りのロボット&戦闘と、野望を隠さない主人公。ここが精神的に強いとロボットも強くなる伝統的な熱血ロボの系譜とも違うし、エヴァとも全く異なる。
女性向け・BLもの
「ヤマトナデシコ七変化」がイケてない女主人公にイケメンが群がってくる構図なのに対して、「金色のコルダ」の場合は、女主人公が恋に仕事(演奏だけど)にバリバリ活躍して、(特に桂一)心を開かせるみたいな。BLの場合、「少年陰陽師」みたいに純粋な主人公とその友人の強い絆を描くものと、「マージナルプリンス」みたいに色々なメンバーと出会うタイプがある。いずれにしても、下手な萌えアニメよりしっかり作られているし、方向性がはっきりしていて参考になる。
継続
- ちょこっとSister
- EDが良い。この前のアイドルの話とか特に、「猫にゃんダンス」が作中にまで侵食しているのが興味深い。実はこれにはこんなエピソードがあったんだみたいな。本編の方は起承転結もあまりないままグダグダになりがちだけど、まあ萌えアニメだからいいでしょう。ただ最後のちょこの日記でオチがつくというのはなかなか便利な形式だと思う。大家さんのメルヘンな夢とか、ツンデレ金持ち娘の夢で王子様の代わりにちょこが出てきちゃうみたいな夢のシーンが美味しいと思う。それから、この前の遊園地のエピソードとか特にそうだけど、世間のしがらみの外部にいる他者の純粋な眼で見るという構図において、ちょこが神様からのプレゼントという設定が活きている。
- NHKにようこそ
- 「ひきこもり」というテーマだから仕方ないけど、あんまり先に進んでいかずグルグル回ってて、2クールをちょっと持て余してる感じ。ちょいオタがどうとか、大槻ケンジのEDソングとか、話題を集めてる隙に駆け抜けた方が良かったかも。個人的には、先輩や山崎側の視点で進むとどうなるのか見てみたい。げんしけんとか大同人物語とかドージンワークスとかと被るかもしれないけど、山崎がコミケで成り上がっていくとか面白そう。というか作中のギャルゲを実際にゲーム化するとか、そういうところに凝るんだったら、そこ中心で行けばいいと思う。「ひきこもり」と「オタク」はインドアという点では共通しているけど、実は別のカテゴリだし。本編、どうしても山崎が主人公を引き摺り回す形になるんだけど、それって「ひきこもり」というより「ワナビ」の痛さなんじゃないかと思う次第。
その他ふつうのアニメ
- デスノート
- 野心作。死がテーマなのに、上品で、荘厳な雰囲気すら感じさせる。原作の小畑絵が大きいと思うけど、シャーペンで字を書くだけ、ポテチの袋を開けるだけでも凄く格好良かったり(JOJOの初期で、ディオが馬車から降りるだけで、凄いコマを費やしてたけど、ああいう様式美)、頭一つ抜けている作品。ただ、原作でネタが割れてるので、コメントがしにくく、あまり雑感では取り上げなかった。
- RED GARDEN
- ゴンゾを他のアニメと一緒にして貰っては困りますよと、オサレ系を装いつつも、その実女の子に絶望させて、泣き叫ぶ様を楽しもうという、ヨコシマな印象もちょっとある。とりあえず怪物とか全然怖くないところが弱いかもしれない。といっても、グロい方向に行けということではなくて、怪物が人の不安を具現化しているから怖い、というのがこの手の設定に向いていると思う。突然歌い出すのは意外と好きかも。