ポストエヴァとしての涼宮ハルヒ

注意

以下の文章はエヴァハルヒ双方のネタバレを含みます。

エヴァハルヒの相同構造分析

エヴァ シンジ アスカ 綾波 ミサト 加持 ネルフ 使徒 絶対領域 人類補完委員
ハルヒ キョン ハルヒ 長門 みくる 古泉 SOS団 神人 閉鎖空間 「機関」など

共通:内省的で独白が多い主人公。選ばれたチルドレン。
対比:中学生・高校生

共通:ツンデレ。自己中心的なヒロイン。アダムとイブ。
対比:トラウマに追われる・不思議を追う

共通:神秘的な無表情系
対比:クローン・インターフェイス

  • ミサト/みくる

共通:母性的で(母乳を出すために母性を象徴するところの)胸が大きい。
対比:謎の過去を持つ・謎の未来を持つ

  • 加持/古泉

共通:謎の「機関」に属す。イケメン。ヒロインの扱いが主人公より上。
対比:年上/同学年

共通:未知の敵から世界を救う(?)組織
対比:大組織と一部活

共通:光の巨人
対比:ロボットで戦う・エスパーが戦う

共通:心の壁
対比:顕在している・潜在している

  • 人類補完委員/機関など

共通:人類の行く末を左右する秘密組織
対比:機関や統合思念体など思惑の違う集団

  • その他

共通:トウジ・ケンスケ/谷口・国木田等
対比:非日常→学園もの(最終回)/学園もの→非日常

対応の概要説明

シンジもキョンも内省と独白がくどい。アスカのツインテールに対するハルヒのポニーテール。シンジ・アスカもキョンハルヒもキスをする。世界創造のアダムとイブ(エヴァは劇場版のラスト)。綾波長門も軍用艦の名前。ふだん眼鏡を掛けていない綾波と掛けている長門。二人とも一人暮らし。そこに来た主人公にお茶を入れる。主人公を命がけで守る。襟が腰まで届く位長いセーラー服のようなものが制服。


要するに、エヴァの最終回の学園ものの次に、ハルヒの学園が来るという位置付け。ハルヒエヴァのパロディ的な設定になっている。ハルヒは同じセカイ系で、ポストエヴァ。大雑把にこのように整理すると、不透明なハルヒの構図が大変見やすくなる。たぶん誰かが先に同じようなことを書いているだろうから車輪の再発見かもしれないけど、自分のメモ代わりに一応書いておく。細部の設定は間違ってるかも。


ちなみに古泉の五分前世界創造仮説は、ラッセルが元ネタなので、フロイトなど思想系への言及も一致している。エヴァ謎本ハルヒの晴れハレ、両方とも祭り型アニメの要素を持つ。角川はエヴァの再来に大賞を送ったか。ただし、「エヴァンゲリオン」に相当するものは何か。一つの回答としては、エヴァハルヒは暴走する点で近いかもしれない。シンジ・エヴァキョンハルヒのシンクロ率が世界を救う(?)。

思考の現実化テーゼ(おまけ分析)

エヴァハルヒという縦の作品の継承線に対して、横の作品の共通点を見てみる。Fateひぐらしハルヒに共通するのは「思考が現実化する」という発想。Fateは武器をイメージして作り、ひぐらしは思考が読まれてしまい、ハルヒはそのままの意味。その一方で人間関係やコミュニケーションは自分の思考で制御できない要素として重要なテーマになる。セカイの果てまで思考が支配する代わりに、すぐ隣にいる他者が理解できないという図式。