アニメ雑感
- NHKへようこそ!
原作でも悪戯されそうになったとあるんだけど、山崎はもっとちゃんと女装したらかなりイケるのでは。そうすると、あらためて岬の存在価値が問われてしまう。主人公とヒロインより、山崎と先輩の方が魅力的に見える。なぜなら、ワナビオタク男子とメンヘル文化系女子としては、両者の方が先行しているからだ。つまり、オタクという点では山崎の方が「先輩」なのである。山崎と先輩は部活ですれ違いになるけど、この二人が主人公とヒロインだったら、もっと行動の幅が広がるような気がする。
最終的には原作から大きく逸脱しないで終わるだろうから、展開に寄り道が多いという印象は拭えない。この作品のテーマは、「NHK」というモチーフが、主人公の欲望の行き詰まりを隠蔽する陰謀論的組織から、行き詰まりを認めた上で慈愛的な関係へと反転するところにある。そこからすると、本来どうでもいい「オタク」系の要素がやたら目立っている気がする。「ちょいオタふんどし」とか。アニメではドラッグとかは描けないし、それがなかったら絵的に弱いとも思うけど、最後が尻すぼみになる恐れはある。
(特に後半)またもやベタだけど、それにしても美味しい展開。ありふれた素材を使っていてもコーディネイトしだいで美味しくなるということか。オムレツが美味しく焼けたら料理人として一人前という話も聞くし、確かにF1より大衆車を作る方が難しいかもしれない。ここでは特に、くどい系主人公(キョンとか)が主流な中で、主人公がさほど違和感なく動くのは興味深い。ジャンルが違うといえばそれまでだが、ヒロインのツンデレに合わせて、強弱をつけている(ガンダールブだったり犬だったり)ところに微妙な調理のコツがあるのかもしれない。
声がシャナの使い魔、という話は出ているけど、そもそもルイズ・タバサ・キュルケってハルヒ・長門・みくると同じ構造だと思う。もちろんアスカ・綾波・ミサトからの系譜。ツンデレ・無感動・お色気という三タイプの女性キャラって、読み手に受けるのはもちろん、書き手として使いやすいんだろうな。何を今さらという感じもするけど、改めて思う。しかし、この次にはどんなパターンが流行るんだろう。とりあえず反転してみる。素直クール・感動屋・色気なしという三人はどうか。なんか微妙。