音楽でたとえるニュースサイト論

概要

萌え情報Blog

上記のニュースサイトを始めてまだ開始三日目ですが、せっかくニュースサイト運営を体験したので、その考えをまとめ、ニュースサイト論として展開したいと思います。

音楽としてのニュースサイト

一般的な羅列型ニュースサイトでは、ハイパーリンクを並べてニュースを伝えている。前回はサイトのリンクをアニメのコマに喩えて、時間の表現方法という、両者に共通する構造を見出した。つまり、細かく記事を更新して伝えるニュースサイトをフルアニメ、途中経過を省略して伝えるサイトをリミテッドアニメと見て取った。

今回は、音楽の比喩で捉えたい。どういうことだろうか? それは、楽譜に並ぶ音符と、サイトに並ぶリンクの類似構造に、着目するということだ。音楽で、12の音階の組み合わせが、限りない表現力を秘めていることは、言うまでもない。それを、比較的若いジャンルであるネットに応用・流用してみよう。

和音・進行

同時に響く高さの異なる音の集合を和音という。それぞれの音程(音の高さ)の組み合わせで、協和音程と不協和音程がある。それをニュースに当てはめると、同じリンクでも組み合わせ方で全体の効果が違う。

たとえば、グロ画像を見せつつ食べ物の紹介をするというのでは、不協和だ。推理小説の結末をバラしながら購入を勧めるというのも、不協和だろう。これは極端な例ではあるが、何も考えないでただ並べると、意外とそういう不協和が生じやすい。そうした例は、(わざと誤植等を面白おかしく取りあげた本の)『VOW』によくある。

それから、和音が進行するときに、特定のパターンをとる。たとえば、転調の際に共通の音を持つ和音へ進行するといった技法が用いられる。これをリンクで言うと、同じ組織・人物・作品など、共通の要素を持った話題を、次の更新で取りあげるようなことだ。これは予備知識が必要で、直接書かなくてもリンクを並べれば、知識の差が自然とにじみ出てきやすい。

メロディ・リズム・ハーモニー

いま述べたことは、音楽の3要素のうち、ハーモニーに分類できるが、他の要素も重要だ。リズムは、ニュースが遅れたり、逆に先走って誤認やねつ造した話題に飛びつかず、ちょうどよい間を保つことだ。また、毎日の更新の時間帯や、更新頻度も関係する。メロディは、ニュース対象の変化、たとえば流行を追うことだろう。

とすると、テキストサイト群の話題の流れを読むのはメロディ重視、専門分野の話題を漏らさず更新するのはリズム重視、関連事項をまとめていくのはハーモニー重視、とでもニュースサイトのタイプを分けられるだろう。

ここまでくると、リンクにコメントをつけるのは、メロディにボーカルが乗ることに思えてならない。「ラララ」だけで歌が成立するように、「うはw」「おk」「ktkr」「wktk」だけでも成立しそうだ。また、コメントが全くないインストゥルメンタルでも立派に成立する。それは読者側にも言え、Web拍手は文字通り合いの手なのだろう。

新ブログの運命はいかに

――『けいおん』も話題のようですし、前回の美術(アニメ)に対して、今回は音楽に喩えてみました。それらは、一般人が何も練習しなければ、デッサンが狂い、音程が外れるのが普通です。だから、リンクを並べるだけでも、必ず上達の余地はあるでしょう。

アニメではまともに人が歩いて見えるようにするだけでも大変なように、特定の話題の「動き」を伝えるだけでも、おそらく大変なことになるだろうと思います。しかし、ただ大変だというだけでなく、工夫のしどころを見つけ、ただの単調な作業で終わらないようにしたいものです。

テキストサイトなら、ひとつ記事をアップしただけで閉鎖しても、読者の記憶に残れば意義は果たしています。しかし、(羅列型の)ニュースサイトが三日坊主で終わると、たぶん記憶にも残らないでしょう。音楽がそうであるように、表現するには時間が必要なのです。