アニメーションでたとえるニュースサイト論

概要

萌え情報Blog

上記のニュースサイトを始めました。まだ開始二日目ですが、アクセスは24時間で約500PV程度、「livedoor Reader」の「注目度ランキング」で(瞬間的ですが)4位に入るなど、滑り出しはそこそこ順調に行っています。先走っているようですが、ニュースサイトよりニュースサイト論のほうを先に以前から書いていたので、ニュースサイト論を展開しつつ、最後に今後の運営も考えていきます。

アニメーションとしてのニュースサイト

一般的な羅列型ニュースサイトでは、Webページへのハイパーリンクを並べることで、ニュースを伝える目的を果たす。そのことを、ここではアニメーションという比喩で捉えてみたい。どういうことか?

ニュースサイトは継続的に見ることで利便性が出てくる。言い換えると、365日全て違うニュースサイトを見続ける、という利用の仕方は、面倒なために想定しにくい。そして、毎日見続けていれば、ある話題が連続して展開していることに気付くだろう。

それは言うなれば、パラパラマンガの原理でアニメーションの絵が動いて見えるように、毎日更新されるニュース記事によって、ニュースで伝えている話題や事件の「動き」が追えるようになる、ということだ。つまり、サイトのリンクをアニメのコマのように見なしている。

フルアニメとリミテッドアニメ

さらに比喩を拡張しよう。リンクの数が多く、対象の更新を細かく追う(たとえば、あるサイトに「CG1枚追加」されたとか)ニュースサイトはフルアニメ、逆にリンク数を絞り込んで、大きな動きに注目するニュースサイトはリミテッドアニメ、という風に捉えられる。

アニメにたとえるなら、動きが精細かどうかだけでなく、動きの質も考慮する必要がある。ある大きな波紋を呼んだ事件に関する、多くの個人サイトの言及を連続してニュースにするのは、板野サーカスにおけるミサイルの動きの表現のようなものだろう。

また、ニュースサイトで話題を取りあげる回数は、アニメにおける中割の枚数と似ている。ひとつの話題、たとえばある作品について、企画発表、制作決定、公式サイトオープン、公式サイト更新、発売開始、記念イベント開催、などの動きをどこまでなめらかに表現するか、というところに裁量の余地がある。

ブログとウィキの時間

ニュースサイトは、リンクを貼る間隔によって、仮想的な時間軸を操作可能だ。これも、アニメがスローモーションや早送りの表現ができることと並行して捉えている。一年間の出来事を一日の記事にまとめることもできれば、ある一日に起こった重大な事件についての膨大な記事を、一年間に分けて伝え続けることもできるだろう。

既存のニュースサイトが重視する速報性とは、リンク先の更新になるべく遅れないよう、素早く記事をアップし、時間差ゼロのリアルタイムを目指すことに他ならない。たしかに、時事的なニュースには賞味期限があり、他のサイトに遅れて出すと、記事の価値が下がってしまう。

だが速報だけが情報ではない。ここで、リアルタイムを目指す速報ニュースサイトに、ウィキを対置してみよう。「ウィキペディアはニュース速報ではありません。」というように、(ウィキペディアを典型とする)ウィキは、むしろ古びずに残る記述を重視する。つまり、無時間を指向する。ここまでのたとえで言えば、ウィキはアニメよりも壮大な壁画に近い。

新ブログの運営について

――さて、ここまで述べてきた構図で言うと、新ブログはリミテッドリンク指向です。「CG1枚追加」みたいな細かい中割の記事を省略して、少ないリンク数で効果的にニュースを伝えることを目指します。前の記事でも触れた、面白くても「ネタ」を扱わないのは、ネタが単発で終わりやすく「動き」につながりにくいからです。また、テキストサイトをあまり扱わないのは、議論の「動き」を表現するために、多数のサイトを追う必要があるからです。

それから、ブログなのでウィキのようにはいきませんが、まとめ記事など速報以外の形態を導入しています。なぜ導入するかと言いますと、これは運営側の動機ですが、速報はある程度先の予約投稿が絶対にできないので、一定の更新時間を毎日確保するか、毎日更新を諦めるか、ふつうは選択を迫られます。しかし第三の選択肢として、連載的記事の一括予約投稿による、更新の負担を軽減(更新量は減らないが、時間が拘束されない)する道があるわけです。