イベントレポート「我々はニートスズキを甘やかさないVol.1」
概要
- 出演(登場順)
5月7日、新宿の「ロフトプラスワン」に行き、タレント(EDEN所属)のニートスズキさんのトークイベントを見てきました。その体験レポートを書きます。
ニートのイベントということで、私もニートっぽいコーディネイト(上イメージイラスト)で行きました。「ニートのイベントにお金を払って参加する人がどれくらいいるのだろう?」という疑問があったのですが、来てびっくり、ほぼ満席でした。
……私の絵が素人っぽくてショボイですが、色を塗ったりすると時間が掛かり、UPの機を逸するので、この程度で勘弁してください。後で差し替えるかもしれません。
ニートスズキ登場
ニートスズキ氏がハルヒのコスプレ姿で現れます。TV出演を経験しているためか、堂々とよどみのないマシンガントークを繰り広げます。しかし、下ネタや暴言などぶっちゃけることで笑いを取るところもありますが、会話の照準がうまく定まらず、会場のお客さんが置いてきぼりになることも。油断すると、お客さんも甘やかされません。
スズキさんは、大学にいる間マックのバイトをしていました。(噂に釣られて)彼女ができると思ってバイトした(!?)のに、実際はできなかった。それに、別にバイトのスズキさんを目当てに客が来るわけではない。ここで、クリエイティブで楽な仕事がしたいという切実な思いを抱きます。
マンガ家のアシスタントを断念するなどの紆余曲折を経たのち、ネット界のせどり情報では第一人者の位置になったので、その次はニートに関する動画撮影・編集・配信に取り組んでいきます。ある日、たまたま検索からブログを見たスタッフから、TV出演の話が偶然舞い込んでくる。そうして、このイベントを開くまでに至ります。
長谷真理香・杏野ヒナナ登場
長谷真理香さんは、バニー耳+チャイナドレス風の「看護婦」をイメージした衣装、杏野ヒナナさんは、体操着で登場します。さすがアイドルとレイヤーだけあって、二人ともセクシーです。これで場が華やかになり、客の緊張はほぐれ、スズキさんも水を得た魚のように話題を投げかけます。
「ニースズ(ボケ)VSハセマリ・ヒナナ(ツッコミ)」の構図が生まれます。スズキさん単体では暑苦しいけれど、二人のリアクションを見ると楽しいので成立します。掛け合いのテンポが良い感じです。(動画界の)タモリの座を虎視眈々と狙っているスズキさんですが、意外と司会に向いているかもしれない。
PPパナップ登場
そして、80年代を意識した衣装で、PPパナップさん登場。パナップさんは、後で歌を三連で熱唱します。が、ここでは控え目に、鋭い小ボケに専念します。長回しのボケを放つスズキさんとは対照的です。パナップさんは「彼氏を探しに来た」といいますが、普通にイケメンです。いや、イベントチラシの写真だけ見たら、女性と思うでしょう。
パナップさんは「スズキがタイプ」という趣旨の発言をしますが、スズキさんはハセマリさんに構いきり。「お金をもらってハセマリと会えるイベントはここですか?」と冒頭に発言したスズキさんですが、「ハセマリ」を連呼しながら絡みます。それもぶっちゃけた感じで、「ニースズはハセマリを甘やかさない」イベントのように思えてきます。
長野の帝王登場
長野の帝王さん登場。パナップさんと長野さんは、スズキさんと動画配信系アイドルつながりです。幼稚園児を意識したという、紅白帽をかぶり熊のぬいぐるみを背負った衣装で、「レーダーマン」を歌って踊ります。振りにキレがあり動き萌えが感じられます。
このとき私は内心、「元はとったな」と思いました。ロリルックも正解です。もちろん、今日ではU-15ジャンルがありますし、単なるロリ好きなら家でDVDを見れますが、地下室の祝祭感・カーニヴァル感が欲しい。それでこそロフト。
歌った後の長野さんは癒し系にチェンジし、ずっとニコニコ満面の笑みを浮かべていて、それだけで場が和みます。特に白米(だけ)を美味しそうに食べるところは良い印象があった。心のロリルックです。それに、第一部終了の休憩時に、長野の帝王さんに握手と撮影を求める行列ができていて、人気がありました。
佐伯僚登場
小説家の佐伯僚さんが和服で登場。「和服サディスト」ということで、スズキ氏を裸にひんむきローソクをたらす公開SMプレイ。内輪の話題を回してて「なんだニースズは甘やかされているじゃないか」といった雰囲気が客席にもたげて来た頃なので、非常に美味しいと言えます。
逃げ回って叩かれるスズキ氏が非常に絵になっている。ムチをしばくヒナナさんや、頭を叩くハセマリさんも良い感じで、出演者も会場内も、一本のローソクとムチを介して心が一つに団結しました。前半最大のクライマックスです。
東方力丸登場
第二部開始後、「漫読家」の東方力丸さんが、地下足袋で登場します。漫画を朗読するだけで芸が成立しています。『北斗の拳』の名シーンを凄い迫力で読み上げます。この芸は現場で体感しないと分かりません。
次の作品はスズキさん指定の『ヒキコモリ健康法』(みさくらなんこつ)。会場が爆笑の渦に包まれます。スズキさんも満足そうです。力丸さんの二冊の漫読は、最も芸が凝縮されていたシーンでしょう。場が大変盛り上がって私も感動したので、絵も色を塗ってみました。
ニートの野望
この後パナップさんが熱唱してから、質疑応答に入り、締めになるわけです。しかし振り返って、スズキさんのトークを少しまとめてみましょう。
スズキさんは、動物園のパンダのように、日常生活の動画が注目されて飯が食える状況ができたらいいな、と考えておられるようです。確かに、生活はもともとしていることなので、コンテンツ制作の手間も費用も掛からず、ある意味では理想的なビジネスモデルだと言えましょう。しかしそれだけではありません。
自宅警備のかたわら動画家として動画配信に勤しむ一方で、マンガやラノベの執筆・投稿もしています。東陽町と深川の戦争状態を背景にしたソフトレズものの小説を書き、さらに動画化を構想するという、超意欲的な試みもあります。スズキさんが対抗意識を燃やしている、「ハリーポッター」や「大日本人」といった大作を超える日が、いつか来るかもしれませんし、来ないかもしれません。
感想
結論として、イベントは成功していると思います。何時間も喋り続けるのはそれだけで大変なことなので、スズキさんは日頃の動画撮影・配信が活きているかもしれません。
「ニートスズキを甘やかさない」レポにしようと思ったのですが、それでも、喋り続ける体力と、動画配信時の誹謗中傷に動じない部分は、素直に見習いたいと感じました。
しかし、やはりゲストの方々の魅力的な面が大きいでしょう。八割方はゲストの魅力。そのように、共演者に支えられており、勢いはタイトルを裏切る法則というか、どれだけニートスズキは甘やかされているんだよ、というオチでした。
――これは蛇足ですが、サブカルライターにとってのロフトイベント開催は、スイーツにとっての自宅バーベキューに相当するわけで、なんともうらやましい……。
さて、いくら面白くても、もう後の祭りと思われるかもしれませんが、7月16日に第二回が開催される予定という発表がイベント中にありました。次回も楽しみです。