なぜ男女間の友情が成立しずらいのか

なぜ男女間の友情が成立しずらいのか

はてな匿名ダイアリー

「他に好きな人がいるの」だと。「君の事は大事な友達のつもりだった」だと。

はてな匿名ダイアリー

どうして、男と女ってだけで、友達になれないんだろう。

*1なぜ男女間の友情は成立しにくいのか、以下でこの問題を分かりやすく整理していこう。先にまず図を示して置く。

男女間の性的不均衡

  1. あるレベルまでの友情と恋愛は両立する
  2. しかし一線を越えた段階では両立しない
  3. 男は女との友情から恋愛への移行を望む
  4. 女は男の友情から恋愛の発展を望まない
  5. ゆえに、男女間での友情は成立しにくい

1.はまあいいだろう。例を想定すると、片想い情況が恋愛の一種だと認められれば簡単に成立する。問題は2.だ。図の拡大図で斜め方向のベクトルが白い壁に突き当たっているのが相当する。これは「カツカレーみたいにカツとカレーが両方入っているのはだめなんだよね」のように、単なる個人の趣味の問題ではない。個と個の関係であっても、単なる主観で完全に人それぞれではなくて、一定のパターンが客観的に存在する。なぜそう言えるのか。

それは恋愛関係は排他的独占契約の関係性を含むからだ。相手の恋人が他人と性関係を結ぶことを許さないのは、個人の価値観だけに留まらない。現代日本の結婚制度は重婚を禁じているし、不倫は損害賠償できる。結婚における1対1関係は社会制度としても公に認知されている。もちろん、恋愛はそこまで拘束されない。しかし、「浮気」が裏切りであるというのは、常識に属する。

ただし、少なくとも二つの可能性が残されている。一つは、フリーセックスを認める立場同士であれば、恋愛と友情は両立するだろう。しかしそのときの「恋愛」や「友情」概念は一般の意味と異なっている。もう一つは、肉体関係にこだわらずに、プラトニックな関係であれば両立するかもしれない。しかしこれは、「一線を越えた段階」に達していないので、2.の否定にはならないだろう。

従って、一定の段階以上における恋愛関係は、肉体関係とその排他的独占契約関係を必要とする、という前提の下では、2.の命題が成立する。だから友情か恋愛かどちらかを選ぶ必要がある。今まで見てきたように、両方取ろうとした場合、相手の独占や性的関係を諦める必要がある。分岐路に差し掛かったところで、3.と4.の認識の相違が表面化する。もちろん逆も可能だが、女が「友達だと思っていた〜」と断る方が多く観察される。この非対称性はどこから来るのか。

ここでは需給関係の違いから由来するとシンプルに考える。恋愛市場においては「男の需要>女の需要」であり、結果的に一定の割合で完全失恋者*2が生まれることになる。女は相手を選ばなければ、男より性的関係・恋愛関係を持ちやすい。

しかし、人口比で見れば大雑把に男女同数なのに、なぜ偏りが出るのか。一つには年齢の偏りがある。男は若い女性を求める傾向がある。これは風俗産業などでは露骨に可視化されている。もう一つは、妊娠リスクがあるので、女が消極的になるために偏りが生じると考えられる。では、どちらの要素もクリアしている理想的環境であればどうか。例えば、外部との交流がない学生の集団があって、かつ避妊が100%成功するものとする。

ここから先は推測が多くなるが、それでも男→女の方向性はおそらく消失しないだろうと予測する。一定の要求水準を満たした場合、男は任意の女と性関係を持てるが、女はそうではない。単純化すると、男は女(一般)が好きだが、女は女(自分)が好きだという違いがある。男の欲望は女が対象なので、若い美人に偏っているが、その範囲内であれば、複数の女が同時に射程に入る。対して、女の欲望は自分が対象なので、嗜好が多様化し範囲は広くなるが、同時接続数が少ない傾向にある。だから自然と、恋愛市場では女が男を選別する構造に落ち着く。

男女

99%大丈夫として告白したら

藁人形叩きになるが、最初の記事を振り返ってみよう。性関係で「99%大丈夫」などということはない。よほどモテる男でなければ、「99%儲かる話がある」と同じ位胡散臭い話のように思える。友達関係は恋愛関係の付属校ではないのだから、エスカレーター式に上がっていくわけではない。最初に挙げた図で言うと、一定以上の打ち上げ角(つまり恋愛方向の成分が多い)がなければ、現状の友達関係を保つことすら難しくなる。

そういう恋愛感情と全然関係ないひとだからこそ、安心できたのに
それを裏切られたような気持ちになると思う。

一方、女にしてみれば、昔の友人に会ったらいきなり壷を売りつけられたような気持ちになるだろう。

純粋に友達として、好き。一緒にいると安心できるってのは、男女の愛以上得がたくて
大事なものだと思うよ。

しかし、男はその建前では納得がいかないだろう。それは「パンがなければお菓子を食べればいいのに」と言っているように聞こえるだろう。今まで見てきたように、よほど恋愛資源が豊富にある環境下でなければ、友達より恋愛の方に希少価値が生じる構造が男側には存在する。

もっとも、「女は金についてくる」のように「男は性についてくる」と言うつもりはない。金についてこない女がいるだろうし、性についてこない男が確かにいるだろう。しかし、その場合でも、おそらく多くは「男女の愛以上得がたくて大事なものだと」思って自然にそうなるのではなく、欲望のままに流されないようにする志があってそうなるのではないか。そして、その志があっても、安心できる関係が永続的になるわけではない。

http://anond.hatelabo.jp/20070114231823に捧ぐ

*1:昔からよくある話題なので、この件が事実かどうかは関係ない

*2:恋愛人口の中で、恋愛関係を望んでいたが適わず、恋愛関係にない者