ファンタジーで魔法が使えるのはなぜだろう

分からない。なぜ呪文を唱えると物が動くのか。ちなみに、来月から連載予定のラノベでは、呪文を唱えると物が動く世界観にしようと思っています。それでは同じではないか。いや、動く理由を明確にしようと思っています。それは単に「魔法=○○○○○」とするだけのことなんですが、御都合主義的な印象が少しでも減れば良いと思っています。


理想としては、SFファンタジー的世界を、ノンフィクションのように描けたらいいなと思っています。もっとも、いま三人称や多元焦点化が使いづらいですし、結果的にはやはりありふれたハーレムものになるところでしょう。しかし、少なくとも魔法使いがヒーローではないし、魔法が神秘的なものではないという設定でやりたいと考えています。


だいたい、魔法が使えたらニートになりそうです。なぜなら、真っ先に魔法で金貨を生み出せば良いではないですか。錬金術が使えないとしましょう。それでも、食物などを生み出せば生活には困らなそうです。それもダメだとしましょう。魔法を使って犯罪を犯せば、科学技術水準の低さから、かなりの確率で成功しそうです。それもダメだとしましょう。しかし…。


何となく魔法が使えたら社会秩序が維持できなそうな気がするんですね。そこで多くの物語では、魔法が使えるのは選ばれた少数の者のみである、とするのでしょう。しかし、私は魔法が大衆に広く浸透していて、しかし社会が成立している状況を描きたいんですね。魔法をニートで暮らせる錬金術にしない方向で。


魔法の理不尽な点を強引に解釈する方法は、実際に作品で描きたいところです。ネタバレを防ぐために全体的に思わせぶりな記述になりますが、設定は本当に何度も考えました。例を一つ挙げると、「ホウキで空を飛ぶ」方法について。なぜホウキで空を飛べるのかという説明にあまり出くわしたことがないのですが、用意してあります。


最近のアニメゲームの作品を見ていると、「思考が現実化する」というパターンが好まれているのだと思います。過程を短絡して、思い通りの世界を実現する。しかもそれがハーレム的な設定と結びついて、オタクの幻想を満たすと。


魔法は、「思考が現実化する」ための安易な道具になりやすい。しかし、あえてその魔法を使って、単に思考しただけ、イメージしただけ、詠唱しただけでは、現実が動かないような世界観にしたいと考えています。「なんでもあり」にはしたくない。といってもちろん諦念に流れるわけでもありません。


読み返すと、なんだかワナビ語りというか、抽象的なお題目ばかり偉そうに言ってますが、それは設定をばらせない制約によるもので、本編の方でブンガク的だったりテツガク的だったりすることは、たぶんないです。なるべく平易に書きたいと思っています。いや、たぶんかなりひどいことになりそうなんで、期待しないでネタで見てください。