今期アニメ感想

Fateのアニメを語るチャンスを逃して後悔しているので、四月からの新アニメの感想を今のうちにダラダラと語っておきます。

ひぐらしのなく頃に

OPが一番良いと思いました。ハルヒ第一話のOPも捨てがたいのですが、何度見ても飽きないという点で、ひぐらしの方が好きです。OPの解説は前回やったので、本編について触れます。まずデフォルメキャラを多用して、原作ゲームでのベタな雰囲気(ハーレムでの馴れ合いバトル)を再現しようとしています。決めの効果音が「シャキ〜ン」となってフラッシュするみたいなのを再現したら面白いですが、まあ実験はハルヒに任せておきましょう。


なぜデフォルメキャラを多用するかというと、本編での「知らない」「無かった」のインパクトを出すために、日常との落差をつけるためでしょう。このブログの用語で言うとISRのR(=リアル)です。しかしアニメはただでさえ時間が少ない(一話30分でCMを抜くと25分。OP・ED・予告などを抜くと22〜23分位しかない)上に、かなり早いテンポでダイジェストのように描いているので、あの原作のシーンの恐ろしさは出てないですね。単純に二回目だから衝撃がないというのもありますが。まあアニメ版ではそこら辺は割り切るつもりでしょう。


前回少し触れたのですが、原作では雛見沢(オヤシロ)という場所自体が悪意を孕んでいる(ように感じるさせる)という描写をしています。それは主人公の雛見沢に対する疎外感と切り離せません。その疎外感をプレイヤーと共有させ、(鬼隠し編の)結末でカタルシスとしての敗北感を与えます。しかも、終盤では回想TIPSという独特のゲームシステムと絡めています。安全地帯のように思えた回想が、いつのまにか主人公の主観になっていて、しかも中に錯誤が侵入していたという離れ業をやっています。


ただヒロインをキモく描いて凄い、というだけならダブルキャストとかもそうなんですけど、やはりギャルゲーならどんなにヒロインが壊れようとも、キモい中に萌えが欲しいところです。すなわちキモエです。終盤怖い方のレナが出てきて、どっちのレナが喋ってるんだ? という状態で、なお恋愛の要素を残せたら最高でした。無理かな。


いや、恋愛の方も告白とかに行く前にうやむやになって、一方命を狙われている理由も不明なままで、成り行きで終わったように感じたので、その後のオマケで楽屋とか出されても、あまり納得行かなかった。その未解決の後に詩音が出てきていい雰囲気になっちゃうんで、なんか浮気感もあるし…。まあ長くなるのでまた後にします。アニメの範囲を超えてますし。

涼宮ハルヒの憂鬱

EDが一番良いと思いました。思い切り軽快に踊ってます。話題の第一話ですが、自主制作映画のショボさが上手く描かれています。まずOPソングはMIDIみたいな伴奏で、出だしもとちってるし、音程も歌詞も間違えています。「へ〜」とか。急なアップを連続してる場面とか、ステッキがアップになって光るところとか、滑り台を降りるところでは噴きました。あるあるw ただナレーションはちょっと喋りすぎだと思いました。中途半端にフォローしないでズレたままでもいいでしょう。


公式サイトも凄いことになってますし、第一話からあのカマシはなかなか度胸がありますね。しかし逆に言うと話題になるためにはあのタイミングしかないわけです。固定層の視聴者と馴れ合いの中でやってもインパクトはありません。しかも、あれは技術に支えられた余裕があってこそのネタで、作画陣が疲れきった頃にやって、本当にショボイものになったら全然笑えません。最後の最後で猫が喋る辺りでの、逆転したリアリティが見物なのですが、いずれにしろ贅沢なつくりです。


まあ劇中劇はよくあるのですが、わざと茶番を演じてみせるタイプの作品では『エクセルサーガ』とか『ぷにぷにぽえみぃ』を思い出しました。ただしこちらは高いテンションで楽屋ネタを連発するので、スタイルは逆です。あと関係ないけどしゅびっちが結婚するそうです。おめでとうございます。

Soul Link

ゲーム版のOPと歌を公式サイトから落とせるんですけど、こちらの方がノリが良くて好きです。キャラデザインは鈴平ひろで、西又葵と組んでゲームを作っています。よく323絵の区別がつかないと言われるんですが、むしろその微妙な味わいを楽しむものでしょう。ワインの何年物みたいな感じで。例えばむかし鈴平が表紙を描いているというだけの理由で某雑誌を買っていたりしていましたが、西又との対談なんかで割りとアレな一面もあると知って幻滅し今に至ります。嘘です。イラストと同じような繊細な御人です。


いきなりグダグダですが、内容にも触れると、SFというのはエロゲではかなり珍しいですね。マルチみたいにロボ娘はアリなんですが、世界観はわれわれの日常であることが多いです。あまり浮世離れするとエロさが薄れるんでしょうか。マヴラブはロボもあるけど学園ものでしょう。ファンタジーならよくあるんですけど。


でも一方閉鎖空間もの(『慟哭』とか)の系譜もあって、交差しています。SFでかつ閉鎖空間というのはかなり制約が多いので、いかに不自由さを感じさせないかがポイントでしょう。アニメは時間がないので設定の説明も十分にできないし。あとせっかくSFなのに模擬弾の打ち合いだとちょっとしょぼい。まあ女の子が可愛いからいいです。

吉永さん家のガーゴイル

若本御大の力がかなりを占めている気がするなあ。そこはかとなく「つよきす」の土永を思い出します。動かないものを喋らせるという手法なら、例えばマネキンドラマ「オー!マイキー」なんかが面白いです。実写のマネキンは動かなくても違和感がないですが、アニメの場合、音速丸に動いて欲しいような欲求が出てきちゃうので、そこら辺がネック。


あと無生物同士で戦うと敵をやっつける快感がイマイチ薄い気がします。実は今期のアニメの中では結構ふつうに派手に戦ってるんですけど。勝利の享楽というのは単に屋敷を派手にぶっこわすというような規模の問題じゃなくて、精神的なものだと思う。逆に敗北から考えれば、あの鉄道模型を捨てられた夫の挫折があるじゃないですか。


ストロベリー・パニック

シスタープリンセス」以降それほど大ヒットしていないのですが、あのシスプリ萌え力をもう一度出せれば敵はないでしょう。タイトルがあまりピンとこないところです。『フルメタル・パニック』はパニックという感じがしますけど。百合はISRで言うところのS(=シンボル)が欲しいです。例えば「マリア様がみてる」の「スール制度」がSです。あと「少女革命ウテナ」とかも様式ばってるでしょう。そういう様式を流行らせれば百合ものは勝ちです。

そのほか

魔界戦記ディスガイア」(天使悪魔もの)とか「ラブゲッCHU 〜ミラクル声優白書〜」(声優)とか「うたわれるもの」(エロゲ)とか「ひまわりっ!」(くのいち)とか、後で触れたいですね。とにかく放映本数が多いので、数タイトルを最後まで見るより、全タイトルの最初の数話だけ浅く広く見る方が面白かったりして。