むしろ政治の(残虐)ゲーム化が著しい件について

因果関係のショートサーキット

残虐ゲームがニート生む 奥田会長が苦言

日本経団連奥田会長は8日の記者会見で、残虐シーンが含まれるゲームソフトが原因で社会に適応できない若者が増え「ニート」増大の一つの要因になっていると指摘。
チェック体制の確立に向け検討を始めたことを明らかにした。


残虐ゲーム→犯罪増加という発想ならまだ分かるが、
残虐ゲーム→ニート増加って…しかも経団連会長!
いよいよ叩ければなんでもいいという風になってきた。


ここで注意したいのは、私の批判の要点は、単体の
残虐ゲームの是非とかニートの是非とかではなくて、
その論理的な道筋のおかしさにある。スクリプトのように、
部分的なキーワードに反応して拒否しているわけではない。


例えば、どんな良質のゲームでも、やり過ぎると
目が悪くなるのは経験的ではあるが事実なので、
何時間やると〜というようなデータは、ゲーマーに
とっても有益な情報になりえる。ゲーム脳ではなく。


規制に賛成か反対かで、赤組・白組に分かれて叩き合う、
ではあまりにも不毛である。それを政治の党派性という。
規制の是非ではなくて、思考の過程も考えようという話。
論理的であることが倫理的であるということがありえる。

ゲームバランスが悪すぎる

「騒音おばさん」きっかけに規制条例案 奈良・平群町


たった一人のキ…変な人がいるだけで、
その人がマスコミ取材で有名になると、
条例が出来てしまうという新システム。
今後変な人が行政機関化していく模様。


バス運転手の過酷−縦並び社会・格差の現場から
残業400時間で、会社に「ひきこもり」


しかし一方、こういう現場を何とかしようという動きは
たぶんこれからも表面には出てこないだろう。
これも、運転手の是非とかバス会社の是非とかではなくて、
同じような構造の社会問題が、他の交通機関でも、
他の業種――食品でも建築でも――あるだろうということ。


はあちゅうの耐えられない軽さ


この記事もネタ半分で書いたけど、将来的には本当に
報道が残虐ゲーム化するかも(こいつは非国民だ!)。
はあちゅうさんの不満を一言にまで短縮して言うと、
「勝ち組だけが国民」「負け組は非国民」の雰囲気。


福知山線脱線事故に関して、ボーリングでも何でも叩く時期があって、
ある新聞では、運転手は機械に頼りすぎて風が読めなかった、という
のがある。FFの風水師じゃないんだから。でもそれもすぐ風化する。


切込隊長こと山本一郎は、最近きな臭い炎上があって、
上底隊長では、というインチキ臭い印象があって、
なんか三百億の割にはファミレス高ぇ〜よとか言ってるけど、
上の事故に関して、ただ叩くだけではない記事を以前書いていた。


中央公論』なのだが、大雑把に言うと、例えば
今までさんざん国鉄の合理化とか言ってたじゃんという話。
もちろん全てをそれに帰してしまうことはできないが、
ほんの少しでも自分の問題として引き受ける、
という視点も持つ、その重要性には私も賛成する。


働く必要に迫られたニート経験者は意外と重宝する
意外と冷静なことを言っている。

モラルハザードバイオハザード

野宿・排除・公園暮らし
自分は安全な場所から一方的に
無抵抗なゾンビ(ニート等)を撃ちまくる、
という享楽(旨味)が流行してきた。


昔のジャーナリストが標榜していた
反骨精神とか反権力というお題目も、
そうとう陳腐な話だとは思うけれども、
しかし、こうもあっさり自分と負け組とを切断して、
サブマシンガンを撃ちつつ、胸を撫で下ろすのもどうか。
その自分もさらに後ろ(勝ち組)から撃たれるかもしれない。
ベトナム戦とかでも自部隊の誤射による被害は大きかったし。


一般に、組織が成長の限界に突き当たると、
敵を内部に求めるようになってくる。
それは近年ライバルの影が薄いこととも遠く関係ある。
これは空気論に絡めてまた別の機会にやるかも。


冒頭の話題に戻って、ここで社会問題を取り上げても
萌えのテーマから外れるので、関連書籍だけ紹介する。
「ニート」って言うな! (光文社新書)