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涼宮ハルヒちゃんの麻雀(DXパック) - PSP

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「涼宮ハルヒの追想」 長門有希の落し物BOX - PS3

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アニメ『アイドルマスター』特集

概要

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 2  -SECOND SEASON- 01 水瀬伊織


 今夏のアニメ『アイドルマスター』放送開始にあわせて、その情報をお伝えします。

詳細

放送情報
  • TBS 2011年7月7日(木)
    • 深夜1時25分から放送予定
      • ※初回放送のみ深夜2時10分から放送予定
  • MBS 2011年7月14日(木) 深夜2時40分から放送予定
  • CBC 2011年7月14日(木) 深夜2時から放送予定
  • RKB 2011年7月19日(火) 深夜2時25分から放送予定
  • BS-TBS 2011年7月30日(土) 深夜1時から放送予定

※放送日時は変更になる場合があります。予めご了承下さい。

http://www.idolmaster-anime.jp/onair/index.html
スタッフ・キャスト

★STAFF


★代表作


★オープニングテーマ

「READY!!」
(歌:765PRO ALLSTARS 作詞:yura 作曲・編曲:神前暁


★キャスト

http://www.idolmaster-anime.jp/staff/index.html
キャラクター/設定資料
フリーペーパー

動画――TVアニメPV




関連作品

CD(アニメ主題歌)

ゲーム

アイドルマスター2 - Xbox360

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アニメ

アイドルマスター XENOGLOSSIA 1 [DVD]

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ブログのデザインを変えました

概要

 より読みやすくするため、当ブログのデザインを変えました。

詳細

主な変更点一覧
  • CSSを利用した、ヘッダの動的ナビを撤去
  • 全体の背景色を肌色から青緑に変更
  • 本文の背景色を白から肌色に変更
  • リンク色を濃い青に変更
  • タイトルの背景色を変えて強調
  • 字間・行間を多めに取る
  • サイドバーのリンクを整理
  • 広告を新設、また配置を変更
  • 他、様々な要素を微調整


 レビューブログを志向するため、「何についての記事か」が明確になるよう、デザインを改善しました。より具体的に言うと、レビューブログはレビュー対象の作品が主役ですから、「何の作品についての記事か」、紹介部分の背景色を白抜きにすることで明確化しました。

 また、以前から、「読み飛ばせる文体と表記」を模索しています。具体的な変化としては、まず、興味がなければ飛ばせるように、記事の概要をつけるようにしています。つぎに、一文と段落の長さを、なるべく平均化するようにしました。そして、ブログをはじめた当初よりも、文章の漢字率を1割くらい落としています。

 なぜ、「読み飛ばせる」ことを重視するのかというと、それはやはり、制作中のノベルゲームに関連してきます。ノベルゲームは文章量が多く、読んでいるとよく疲れを感じます。そこで、万人向けの分かりやすい内容と、楽に読める文章を追求しようと考えました。もちろん発展途上の段階で、改善の余地はまだまだあると思っています。

映画『CUBE ZERO(キューブ・ゼロ)』 ――キューブ内外の視点が交差する脱出劇

概要

CUBE ZERO [DVD]

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情報
紹介

1997年のぞっとするような『CUBE』、2002年の『CUBE2』に続き、本作『CUBE ZERO』は、『トワイライト・ゾーン』めいた第1作からの箱に閉じこめられた他人同士というテーマを、多少拡大してみせた。幸運なことに、今回は違いがある。主人公は、しばしば死が訪れる連結されたキューブの部屋で迷った一囚人ではなく、エリック(ザッカリー・ベネット)という名前のギークだ。彼はコントロール室に腰を降ろし、無実の人をみじめに苦しめることに対し、罪の意識を抱いて葛藤している。どこか遠くのオフィスにいる絶対の力を持つ未知の人物から、電話で命令を受けとっている。ある時点で、ついにエリックはみずからがキューブの迷路に乗り込み、女(ステファニー・ムーア)を助けようとする。だが、彼女はエリックの真意を疑ってかかる。シリーズ前2作の不可解な設定が、今回はさらにカフカ的に不条理な設定へと展開されている。独裁的な官僚めいたホワイトカラーの一団が拷問者としてやってくるのだが、キューブの意図を説明できないし、説明しようともしないのだ。想像力あふれる脚本家であり監督であるアーニー・バーバラッシュの力で、退屈な映画になりそうだったものが救われている。(Tom Keogh, Amazon.com)

物語(あらすじ)

注意:以下、ネタバレあり)

 立方体の密室が集合している空間、キューブ。エリック・ウィン(ザカリー・ベネット)とドッド(デヴィッド・ヒューバンド)は、囚人の様子を、仕掛けられたトラップによって死亡するまで、モニター画面を通して監視していた。

 彼らは、キューブを管理し、中の囚人を監視する職員だ。ドッドは自分の職務を忠実にこなす。いっぽうで、コンピュータのような精密な頭脳を持つウィンのほうは、キューブ自体の謎に興味を抱いていた。

 ウィンは、被験者の女性・カサンドラ・レインズ(ステファニー・ムーア)に注目する。キューブ内部で目を覚ましたレインズは、他の囚人と出会う。彼らは記憶を消去されていたが、彼女だけは外界の記憶をわずかに残していた。

 いっぽう、監視室のウィンは、政治活動家だったレインズが、陰謀によってキューブに強制収容された可能性を疑う。また彼とドッドは、逃亡した同僚の処分を余儀なくされた。そうした非情さに耐えかねたウィンは、ついに脱出を決意する。そして、レインズ救出のため、キューブ内に自らおもむく。

 はたして彼らは、行く手を阻む殺人トラップをくぐり抜け、生きて脱出できるのだろうか……?

解説

キューブ内外の視点が交差する脱出劇

 「キューブ」と呼ばれる殺人立方体に閉じこめられる、という斬新な設定が話題を呼んだ『CUBE』シリーズ。本作『CUBE ZERO』はそのタイトル通り、前2作の序章に相当する。前作『2』の監督が続投して、キューブの内と外、囚人と監視の視点が交差する脱出劇を描く。

 内外の視点が交差するという構成は、同じソリッド・シチュエーションで後発の映画『SAW』にもあった。内外の視点がどう関係するか、というところにサスペンスが生じる。ただ、外が見えてしまうので、閉塞感が薄れるという側面もある。

 キューブのトラップのグロテスクな描写は、『CUBE 2』でいったんややマイルドになった。が、今回はPG-12作品ということもあり、グロさが増している。とくに、冒頭の人間が溶解するシーンは強烈。シリーズ中でも一番グロい。

 これは『SAW(ソウ)』シリーズにも言えることだが、シリーズ初代の作品が持っていたテーマ性が薄れていくかわりに、グロ描写が増していく。だがやはり、グロそのものよりも、そうした極限状況に置かれた、人間の本質を重視して欲しかった。

 たとえば、チップを人間に埋め込むことで、殺人鬼を生みだしている。だが、人格と関係なく操作されている(ように表現されている)のでは、本質どころか、そもそも人間でない。

 これが、前2作の殺人鬼であれば、その描写の善し悪しは措くとして、「怒りが殺意に発展した」とか「恐怖が殺意に反転した」とか、人間の心理を解釈する余地がある。チップによる暴走後には、これが全くない*1

 ストーリーは、ウィンがヒーローになって、レインズを救う話になっている。囚われの姫を救うような、その筋書き自体は王道だ。が、彼が救いに出た時点で、ヒーロー・ヒロインと脇役がはっきり別れて、生き残るメンバーの予測がついてしまう。

 ただ、初代につながるような結末はよかった。最も印象的だったひとりの登場人物の設定を、示唆するラストになっているのだ。

 本作は、『CUBE』シリーズという視点を離れて、単体で評価すれば悪くない出来だ。キューブの設定を知らせる面と、これからの展開を予想させる面が両方あるため、あれこれと推察して、見ていて飽きることはなかった。

 ただ、キューブ以外の場面は、わりと普通の映画だった。横暴に振る舞う義眼の上司や、幼い子供とともに追っ手から逃げる回想は面白い。が、どこかで見たような感じで、キューブ以前の脱出物に戻ったような印象も受ける。

 こうしてみると、初代はなんと非凡なのだろう。映画で描く焦点を、徹底的に絞り込んでいた。大部分で同じようなトラップの殺人をやっていても、こうも違ってくるのか、とあらためて驚く。

 本作は初代の設定を補完するだけでなく、初代と見せ方を対比して見ると、色々と興味深いことが発見できる。

関連作品

CUBE ZERO(スマイルBEST) [DVD]

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CUBE NEXT [DVD]

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スプライス [DVD]

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*1:もっとも、人格を無視した人間の操作、すなわち「マインドコントロール」の恐怖という、90年代に出てきた別の枠組はあるのだが

映画『CUBE 2(キューブ・ツー)』 ――時空を超える超立方体への進化

概要

CUBE2 キューブ 2 特別版 [DVD]

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情報
  • 監督: アンジェイ・セクラ
  • 脚本: ショーン・フッド、アーニー・バーバラッシュ、ローレン・マクローリン
  • 出演: ケリー・マチェット、ジェラント・ウィン・デイビス、他
  • 製作国: カナダ
  • 公開: 2003年
  • 上映時間: 95分
紹介

一瞬先も読めない斬新なストーリーで、カルト的な人気を得た前作。このパート2は「各面に隣との出入り口がある謎の立方体(キューブ)の部屋」という基本設定は前作と同じで、新たな登場人物たちが決死の脱出を試みる。今回は、キューブを設計したと思われる兵器メーカーの存在が浮かび上がり、そのメーカーの関係者とおぼしき人物も登場し、謎を深めていく。
前作より進化したのは、各部屋の「罠」。侵入者をたちどころに殺してしまう仕掛けが、CGを駆使した映像で展開していく。また、時間のスピードが変わり、侵入した者を一気に老化させる部屋。あるいは、隣を覗くと、自分と同じ人間が別の時間を過ごしているのが見えるなど、「時間の狂い」がフィーチャーされているのもポイントだ。現実と非現実。現在と過去、未来。その辻褄合わせをしながら観る楽しみもある。キューブの存在に企業の陰謀を予感させ、物語に説得力を持たせたのも進化と言えるが、前作が多くのファンを惹きつけた“漠然とした不安感”が薄まったのは事実。俳優たちの演技も、やや大げさなのが気になる。(斉藤博昭)

物語(あらすじ)

注意:以下、ネタバレあり)

 あるとき、白い立方体の部屋に、人々が閉じこめられた。そこは、同じ形状の部屋が、数多く隣接している。立方体の集合体で作られた、巨大な立方体(キューブ)になっているのだ。

 ここからは、各部屋のハッチを通じ隣室へ移動して、出口を探すしか脱出方法がない。しかも、部屋にはときどき、殺人トラップが仕掛けられている。そんな極限状態のもとで、人々は絶望的なサバイバルを繰り広げる。

 人々は協力して、一つ一つ謎と罠をクリアしてゆく。だがやがて、ひとりの精神が狂い出す。残された脱出のヒントは、「60659」という謎の数字。

 はたして、このキューブから、無事に脱出できるのか……?

解説

時空を超える超立方体への進化

 続編ということで、「Cube キューブ」から「Hypercube ハイパーキューブ」に進化した。どう変わったのかといえば、部屋によって時間が異なる、という仕掛けがある。空間が限定されているぶん、時間の広がりを描く。これは面白いアイディアだ。

 続編なのでひねったわけだが、時間の操作だとは、予想していなかった。部屋ごとに時間の流れが一定していないことで、たとえば死んだはずの人間が再来したりだとか、奇怪な現象が起きていく。見終わったあとまで、不思議な印象が残る。

 しかし、SF的には面白い題材ではあるが、ホラー的には前作のほうが優れている。というのも、初代のキューブは、視聴者が直感的に理解できるものだった。金網の刃でサイコロのような肉塊になってしまうだとか。つまり、トラップが恐怖に直結しているのだ。

 設定が複雑化・高度化したからといって、必ずしも前より優れているとは限らない。本作は、時空がバラバラだという「不思議さ」が、もう少し「怖さ」に結びついて欲しかった。殺人トラップも幾何的な形状だったりして、全体的に「リアル」というより「バーチャル」な印象だった。

 ゲーム的な設定も、詰めの余地が残る。たとえば、時間がバラバラに流れているのに、最後には統一されるというメカニズムが分からない。前作の部屋が移動する設定も、多少は無理を感じたがイメージできた。今回はイメージできないので、納得できる設定や説明が欲しかった。

 もっとも、非凡な初代と比較される、2作目の宿命も感じる。監督も交代しているし、初代と同じものを求めるのは難しいだろう。『キューブ』シリーズを意識せず、本作を単体で評価すれば、面白い。

 面白いと感じたのは、たとえば、殺人鬼の時計が増えていくシーン。時間を超えて何度も殺す、という殺人鬼像は新鮮だし、見せ方も秀逸だ。殺人鬼の本人が何度も蘇るとか、さらなる発展の余地もあるだろう。

キューブの外部に到達する

 物語の最後、前作では描かれなかったキューブの外部に、ついに到達する。時間という題材は今回だけに留められるが、キューブ外部の提示はシリーズの方向性を左右するため、このラストは賛否が分かれそうだ。キューブの外部を描かないまま、続編を作ることもできたし、そちらのほうが無難な選択だろう。

 本シリーズにおいて、キューブの外部を描くことは、じつはシリーズのジャンルを変えることと同じくらい重大なのだ。じっさい、3作目の『CUBE ZERO(キューブ・ゼロ)』は、「ソリッド・シチュエーション・スリラー」だけではなく、別ジャンルの話が入ってきている。

 なぜ、キューブの外部を描くことは、たんなる場所の移動だけではなく、ジャンル移動を伴うのか。それはたとえば、ミステリで犯人視点から描くと、倒叙形式になるようなものだ。あるいは、ホラーで幽霊は姿が見えるまでが怖い、といった話と関連する。

 もっと言えば、舞台の「舞台裏」を見せるような、視座の移動があるのだ。外部を見せてしまうと、後戻りできなくなる。じっさい、『ZERO』を見てから、初代を見直すと、物語や意味が与えられるために、カフカ的な不条理感が減ってしまう。

 初代には、不条理感だけでなく、想像する余地があった。だが今回、キューブの存在理由は、陰謀論的な理由に落ち着いた。その陰謀論自体は、わりとよく見かけるものだが、本作の場合はキューブとの関係が問題になる。

 陰謀論的な外部の組織を描いたために、なぜ、その陰謀論はキューブで実現しないといけないのか、という疑問が浮上してくる。たとえば、あのような大規模な施設*1を作って、どのような利益があるのか、という素朴な疑問だ。人体実験や心理実験だとしても、ああいう立方体である必然性はない。

 逆に言うと、次回へのヒキになっている。単純にキャラクターとトラップを交換するだけではなく、キューブがどうなっているのかまで続編で明かす。すると、見ないと分からないので、興味を惹く。これはベタだが、強いヒキだと思う。

関連作品

ナッシング [DVD]

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π(パイ) [DVD]

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*1:初代について言えば、部屋の数を考えると相当大きいし、それを駆動させるのも大変そうだ

ゲーム『涼宮ハルヒちゃんの麻雀』紹介

概要

涼宮ハルヒちゃんの麻雀(公式サイト)

涼宮ハルヒちゃんの麻雀(DXパック) - PSP

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 『涼宮ハルヒ』シリーズからスピンアウトした『涼宮ハルヒちゃん』シリーズ。それがついに、PSP用の麻雀ゲームソフトとして登場。2011年7月7日・発売予定。

映画『CUBE(キューブ)』 ――ソリッド・シチュエーション・スリラーの代表作

概要

CUBE [DVD]

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情報
紹介

ゲーム感覚あふれる斬新なアイデアと、スタイリッシュな映像センスで、トロント映画祭やサンダンス映画祭をわかせた作品である。6つのハッチから出口を探すしか脱出方法はないが、部屋にはさまざまな殺人トラップが仕掛けられている。無駄なエピソードはいっさい排し、ただひたすら脱出サスペンスと心理ドラマに集中している。監督はデビッド・クローネンバーグ以来の衝撃と賞賛される、カナダの異才ヴィンチェンゾ・ナタリ。映画作りの常識を根底から覆した、画期的な映画である。(アルジオン北村)

物語(あらすじ)

注意:以下、ネタバレあり)

ある日突然理由もなく、男女6人が鋼鉄の立方体の部屋に閉じ込められる。
そこは他にもたくさんの同じ部屋があり、その集合体で作られた、巨大な立方体(CUBE)になっている。
各部屋に6つあるハッチの中からひとつを選び隣室へ移動しながら出口を探す以外、脱出方法はない。
しかも部屋には様々な殺人トラップが仕掛けられている!
そんな極限状態の下、絶望的なサバイバルを繰り広げる6人。
やがて一つ一つ謎と罠をクリアしてゆくうちに、彼らの精神状態が徐々に狂い始めてゆく・・・
果たして無事にこのCUBEから脱出できるのか?あるいは本当に出口はあるのか?
今ギリギリの緊張の中、死のゲームがセットされた・・・

解説

ソリッド・シチュエーション・スリラーの代表作

 「ソリッド・シチュエーション・スリラー」と呼ばれるジャンルを代表する作品。本作の発想の原点は、同じナタリ監督の短編映画「Elevated」から。低予算の制作だが、アイディア勝負で大成功した。本作がスリラー映画に与えた影響は、タイトルを真似た便乗作があることからも見て取れるだろう。

 ストーリーは単純明快。殺人トラップが仕掛けられている立方体の部屋「キューブ」から、囚人が脱出しようとするだけの話だ。しかし、その部屋が何のために用意されたのか、という理由が全く説明されない。そのことが、カフカの小説のように、不条理な雰囲気を醸し出す。

 クローズド・サークルや限定状況が舞台のサスペンスは昔からある。たとえば、『バトル・ランナー』のように、デス・ゲームものも昔からある。それを踏まえた上でも、立方体という極限まで抽象化された空間で機械が殺人を行う、という無機質な印象が際立っているため、本作にオリジナリティを感じる。

 完全にアイディア勝利の作品。なんといっても、アイディアが素晴らしい。どうしても登場人物は薄っぺらくなるが、このゲームのような世界では、むしろヒューマンドラマは余計だろう。美術面で、部屋のデザインもセンスが良い。配色を部屋ごとに統一したことで、同じ形の部屋でも印象が異なっていた。

環境自体が人工的に構築された設定

 本作のとくに前半はドライでクールだ。この徹底した無機質性に注目しよう。これがたとえば、『SAW(ソウ)』になると、もう少し人間味が出てくる。邦画『バトル・ロワイアル』などは、本作と比較すると、かなり情緒的に見える。

 このことに世相を読み込むとどうなるか。たとえば、戦争で空爆によって一方的に攻撃するような状況では、人と人の戦いという感覚は薄れてくる。あるいは、コンピュータが人間のチャンピオンにチェスで勝ったことだとか。

 本作の前半には、非人間的な雰囲気がただよう。それは殺人者が冷酷といったことですらなく、機械が人を殺すために、たんに無感情なのだ。この非人間性は、『新世紀エヴァンゲリオン』の暴走するエヴァにも見られる。つまり、90年代の時代感覚だ。

 本作の設定は、スリラーの演出面でも優れている。たとえば、キューブのトラップ用機械は言葉を発しない。しゃべらないのが当たり前に思えるかもしれないが、SF的な機械は何かとおしゃべりなのだ。

 閉鎖空間でしゃべる機械の例としては、最近の邦画『インシテミル』がある。設定上しようがない面もあるのだが、あらかじめ機械が人間に警告するため、恐怖が薄れている。黙って殺す、本作の機械のほうが、はるかに恐ろしい。

 機械が人間のように話す、という発想は旧来的な産物だ。それよりも、本作や『マトリックス』のように、環境自体が人工的に構築された設定のほうが、現代的に感じる。なぜ現代的かといえば、ネットやケータイが人工的な環境だからだ。

 本作におけるトラップは、殺人方法のバリエーションが豊富で、とくに音を感知する部屋は緊張感が出ていた。だがじつは、人間による殺人のほうが多い。もっと機械の殺人が多くてもよかったと思う。

カフカ的な倒錯した官僚制の世界観

 物語の導入は、囚人が金網のトラップによって立方体の形に切断される、ショッキングな殺人シーンから始まる。これはグロテスクな表現だが、早い段階で危険を見せ、緊張感を作ることに成功した。中盤に入ると、やや中だるみ気味になるとはいえ、誰が生き残るかに興味が惹かれ続ける。

 結末に関しても、現実の力学とは違い、映画的な解はこういうものだろう。映画的な危機は、主体の欲望が映し出す影として生じる。脱出者は、もっとも欲望が希薄なため、危機に妨げられなかったのだ。

 このキューブ自体の存在理由は、本作の時点では、推測でしか示されない。キューブは公共事業で作られ、作ったからには使わなければ、ということだろうと、登場人物のひとりが推測する。これは、カフカ的な倒錯した官僚制の世界観で、現代的なビジョン*1だ。

 ストーリーは全体的に妥当だと思う。たとえば、立方体の存在理由をくだくだ説明しても、かえって蛇足になるのではないか。物語や意味といった人間的なものを排して、機械的・記号的に処理する、本編の脚本・演出で正解だ。

 ただむしろ、純粋なゲームとして見たときに、ゲームシステム設計の詰めを残している気がする。たとえば、脱出法は数学的な解法になっているが、そこに問題がいくつか残るようだ。

 ゲーム的な設定なので、人物やトラップなどの条件を変えて、違った展開や結末を想定したくなる作品。そしてじっさい、そのような続編が、制作・公開された。ソリッド・シチュエーションというジャンルは、まだまだ開拓の予知がありそうだ。

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*1:大昔にも巨大な墓を作っていたから、制度の無目的性は、時代に関係なく普遍的なことかもしれない。が、その倒錯性や自己完結性に、自覚的なところが現代的なのだ