新年のあいさつとノベルゲーム制作の予定

新年のごあいさつ

 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。

ノベルゲーム『幽霊郵便』について

 昨年の大晦日コミケのスペースまでお越しくださった方は、誠にありがとうございました。

 当スペースでは、制作中のノベルゲーム『幽霊郵便』のアルファ体験版を配布しました。しかし、これはまだまだボリュームとクオリティが足りません。ですので、後で加筆したものを、ベータ体験版としてネットで配布する予定です。

 『幽霊郵便』がどのような内容か簡単に言いますと、離島で行方不明になった少年少女8人の謎を解き明かしていくというものです。

 ここで本作は、多くの人がイメージするような推理物(名探偵物)の形を取りません。名探偵の推理のみが一意の正解に至る、というのではなく、仮説を並列する形で複数解を導入します。

 この仮説を並列する形式を推理小説史に探すなら、『毒入りチョコレート事件』や、四大奇書、特に『虚無への供物』といった、アンチミステリ・メタミステリの作品が相当するでしょうか。

 本作は後発であり、同人であり、小説ではなくノベルゲームということもあり、それらともまた異なった「水平思考推理」という形式を採用しています。

 「水平思考」というのは、ある前提を固定して思考する(深さ優先・垂直思考)のではなく、別の前提を思考する(幅優先・水平思考)ことです。

 たとえば、宇宙や低温下など特殊な状況でボールペンが書けなくて困るとします。そのとき、そこでも書けるボールペンを開発しようとするのではなく、単に鉛筆を使うのが水平思考です。

 そうした水平思考を実践する推理ゲームに、Yes/Noの質問によって解の範囲を絞り込む「ウミガメのスープ」というものがあります。本作はそのシンプルなルールを取り入れています。

 そのルールの下で数多くの仮説を解き、解いた仮説が新たな仮説を連鎖的に呼び起こして、行方不明事件の全体像を浮き彫りにしていくのです。

 さらなる詳細については、ベータ体験版が出る前後に、また改めてお伝えしましょう。