動画紹介・『中学星』
概要
『中学星』(制作・MIKE*1)は、ニコニコ動画で公開されたCGアニメ作品。映画の予告のような「予告編」と、オムニバス形式の「本編」で構成される。「DAdDY WALK AROUND」の「無色透明」という楽曲が主題歌に使用されている。
「中学星」という惑星の中学生たちが繰り広げる、シュール&ユーモラスな日常を描く。進行のテンポの良さと構成のセンスの良さが光る。クールな笑いを見せてくれる作品だ。
解説
冒頭で提示されている、本作の特徴は以下の通り。
- 色彩がモノクロ
- 人物がマネキン(全身タイツ型制服という設定)
- 1秒1コマテンポ
- 1本10秒構成
こうして徹底的にデザインして、情報量を絞り込むことで、ムダな要素が省かれ、テンポが良くなった。これは、以前見た『するめいか』と対照的になっている部分がある。
『するめいか』では、ユル百合コンビのキャラを立て、その会話の脱線を中心に見せている。一方、『中学星』では、男ばかりの生徒を無個性にして、その行為の脱線を中心に見せている。
『中学星』の手法は、「身長測定」「走り幅跳び」など、ごく普通のモチーフを扱い、他カテゴリのものと組み合わせる、というものだ。「身長測定+音ゲー」「走り幅跳び+野球orバスケ」のように。
これは、「あるある」ネタの逆で、「ないない」ということをやっている。前回も四コママンガの話をしたので、その延長であてはめるとすれば、萌え四コマに対する、不条理四コマの流れを汲むだろう。
しかし、『するめいか』同様、動画という形式に大きな意味がある。特にこの作品ではテンポが命なのと、「勝ったー!」というような音声が大きな役割を果たす。四コマでは表現できない、動画ならではの要素があるのだ。
*1:ディレクター・SHIMIZU Seiichiro