アニメ感想・「あかね色に染まる坂」1話「あかね色のファーストキッス」
あらすじ
私立アミティーエ学園に通う主人公・長瀬準一は、ある日男たちに絡まれている少女を助ける。男たちは「ジェノキラー」と呼んで準一を恐れ逃げた。準一は名前も告げずその場を立ち去る。しかし、学園に来た新しい転校生が、その少女・片桐優姫だった……!
ラブコメ? ツンデレ? お嬢様?
「絡まれる→助ける→転校してくる」のが、ラブコメのベタなパターンであることは、言うまでもないだろう。主人公が無意味に恐れられているというのは、「とらドラ」(というかエンジェル伝説)もそうだったが、何か流行っているのか。やたら足下を映すとか、部分的に妙な演出(キス直前の葛藤など)があって、ツッコミの面白さはあるかもしれない。
声優が豪華で、「ツンデレ」キャラクターという位置付けであるヒロインの優姫は、釘宮理恵が演じている。が、どちらかというと「お嬢様」属性が強い気がしなくもない。金的蹴りとか「死なす」がやや唐突に感じた。また、お嬢様が二人、キャラが被っているのがちょっとシュールだ。が、ギスギスしたご時世、この萌えアニメ独特の妙なぬるま湯感に浸るのも悪くない。
タイトルに「坂」があるので、それを印象付けたいところ。たとえば、アニメ版「時をかける少女」の坂は印象深いと思う。「時かけ」の背景は、劇場版アニメの中でもさらに細密で質が高いのだが、テーマに結び付いているというのも重要だ。つまり、時間移動SFものは「何度でもリセットすればいいじゃん」と弛緩しやすい*1が、重力に任せて自転車で坂を落ちていく感覚によって、後戻りできないような緊張感を出せる*2。
ただ、わりと背景が薄いので、舞台の存在感を出していけるかどうか。たとえば、パースの関係で主人公の部屋が無意味に広く描かれて、お嬢様と一般人の差別化が十分になされない気がする。ところでこうしてみると、「ヒャッコ」は、迷ってしまいそうな学園の「広大さ」がきちんと描写されていたと思う。
結論としては、キャラクターとそれを演じる声優が売りだと思うので、キャラが出揃う今後に期待。
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