『m9』の記事が読まれて

m9 - 伊藤剛のトカトントニズム

ココロ社id:kokoroshaさんと、しろうとid:sirouto2さんの原稿が面白そうなので購入。これから読みます。

私は、『m9』に、「天野年朗」名義で、「『アイドルマスター』は『文化現象』である!」という記事を書いております。その中で、稲葉振一郎先生(id:shinichiroinaba)の言及を介して、伊藤剛先生(id:goito-mineral)のキャラクター論に触れさせて頂いています。

全く無名の新人だから、はたして読んでもらえるものだろうか? と不安になっていました。商業媒体に書かせて頂けるだけでも嬉しいのに、(記事中で言及している)書き手にまで読んで頂けるというのは、とてもありがたいことです。

初仕事なので文章の粗が目立つと思うのですが、未熟者なりに新しい表現の可能性を考えていまして、それをニコニコのアイマスMADに見出しました。「とかち」のような動画の流行は、文脈参照型80年代パロディの系譜でもなければ、設定解釈型90年代セカイ系の系譜でもないでしょう。

旧世代のオタク作品が「わかる人にはわかる」的なマニアックな文脈・解釈を競うものだったのに対し、次世代*1のオタク作品は、わからないまま熱中するカオスなものになっています。つまり、深い文脈・解釈をむしろ忘却・没入します。

そして、記事中でも触れていますが、東浩紀先生の「動物化」論とも別に捉えています。データベース中の要素「猫耳」「メイド」などの順列組合せである、という説明が有効に機能する部分もあるかと思いますが、「とかちつくちて」は単なる言い間違え*2なので、あらかじめデータベースに登録してあったものではありません。

……しかしここでの記述は、あくまで記事本体の補足に過ぎません。気になった方はぜひ『m9』をご覧下さい。

m9(エムキュー) (晋遊舎ムック)

m9(エムキュー) (晋遊舎ムック)

*1:今だと「ゼロ年代」「オタク第四世代」という言い方が流行していますが

*2:というか発音の悪さ。ただしケアレスミスではなく、どうしてもこういう歌い方になるのだという