はてなダイアリーアワード2007

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

概要

はてなダイアリーアワード2007とは - はてなダイアリー

  1. 2007年度で面白かったダイアリーを教えてください(上限5つ)
  2. 2007年度に投稿されたエントリの中で、面白かったものを教えてください(上限5つ)
  3. デザインの優れていたダイアリーを教えてください(上限3つ)
  4. はてなダイアリーで開催された企画の中で、面白かったものを教えてください(上限3つ)
  5. はてなダイアリー重大ニュースを教えてください(上限5つ)

年を越してしまいましたが、去年一年のはてな村を振り返ります。このブログの性格上、オタク・萌え関連が多いです。文体がちょっとエラソーになってしまって申し訳ないのですが、馴れ馴れしさを出さずに、でも背景を知らない読者にも、きちんと紹介しようと思ってこうなりました。ちなみに、一瞬まとめをやろうかと思いましたが、まあ上のキーワードページで十分でしょう。以下、順不同。

2007年度で面白かったダイアリー(5)

  • REVの日記 @はてな
    • たとえ話が豊富で上手く、文章がスタイリッシュ。頻出の「留保の無い生の肯定」*1というロジックが、最も有効な批判は「医療崩壊論壇」*2で、時代の問題点を浮き彫りにした。しかし、問題提起は鋭いが、解決策はどうか。政府は事後調整型社会を目指しているし、事前の自重に期待することもできなさそうだ。
  • ロリコンファル
    • エロゲをこよなく愛する。自分が共感する古典作品を引用するのを好む。深い教養があり引き出しが多いので、どんな場合にも対応する引用をスッと出せる。大嫌いな作品がよく大ヒットするのは、時代の流れか。感情的でなく素で評価するときは、もの凄く的確な批評になる。
  • Something Orange
    • ラノベ評が得意な印象だが、「すべての物語を平等に扱う」というコンセプトのもと、ジャンルの垣根なく、実に多くの作品に触れ紹介している。エロゲでは「SWAN SONG」が「ベスト・オブ・ベスト」だといい、紹介の仕方が上手くて面白そうだった(中古が高いらしいが)。
  • たまごまごごはん
    • はてダのオタク系ではトップクラスにアクセスが多い人気ブログ。文章の当たりが柔らかくて、読後感が良い。「ヤンデレ」など流行の萌えに関しての話題が絶えない。ラジオや書籍など活動の幅も広い。バナーの画像は「サナギさん*3。「イサコ様は俺の姫」。
  • Je n’avais pas l’intention d’aller ࠬa mer.
    • 「頭脳の無駄遣い」。頭の良さと熱い自意識と饒舌な言葉でオタクネタを徹底的に語る。特に初音ミクに関する記事が印象に残る。このブログについて「カルスタの孕む問題点をパロディ的に蒸し返している」と評されたが、確かにカルスタの手法を意識して書いていて、それを指摘されたのが初めてだったので、鋭いと思った。

2007年度に投稿されたエントリの中で、面白かったもの(5)

  • キモい男性のコメント攻撃をかわす法 - ココロ社
    • 「それ、担々麺だよ!」
    • 写真を用いたグラフィカルさと、下ネタ多用の軽薄文体がマッチした、明るく楽しめるエンターテイメントブログ。ところで、私は面白いエントリはなるべくブックマークしたくない。それは、ネットで人気者になるよりも、「リア充」としてブログ以外の場所で幸せに生きて欲しい、というささやかな願いがそうさせるのだ。はてダのトップに5usersの注目で出てきたこのエントリを見たときに、「これは伸びるな」と内心思ったが、最初はグッとガマンしてブクマから目をそらしていたのだったが…それ、担々麺だよ!。
  • セックスしていても一つにはなれないけれど - うどんこ天気
    • 「この人は私じゃない。私はこの人じゃない。」
    • 痛切な感情を描くエントリ。自己と他者が同一になることはないが、ドゥルーズは差異そのものを肯定しろという。他者と同一になるところを想像するのは幻想だが、差異の肯定は愛である。それはつまり、宇多田ヒカルの「FINAL DISTANCE」で「いつの日かdistanceも抱きしめられるようになれるよ」ということなのである。
  • おれが如何にして心配するのを止めてプリキュア 5 を愛するようになったか - また君か。@d.hatena
    • 「まとめ:作画崩壊はよくないね!だけどかんたん作画は大歓迎さ!」
    • タイトルは「博士の異常な愛情」のパロディ。記事の背景を説明すると、アニメ「グレンラガン」第四話などで、「作画崩壊」祭りが盛り上がった。が、Wikiを見ただけで作画を語る、半可通なアニオタに対して、「かんたん作画」という意表のコンセプトで軽くいなす。「我々はもはやポンコツなのだ。」「だからこそ今プリキュア 5 なんだよまるでわかっちゃいねえよ。」というように、血気盛んな若オタから距離を取り、細部の観察とアイロニーを忘れない、枯れオタの視線を維持している。
  • 昼波レイ - 失踪外人ルー&シー
    • 「????」(ネタバレ回避)
    • これは個人的に面白いと思うもの。いつもタイトルがダジャレで遊んでいるのだが、ひときわ鮮やかで完成度が高い。おおげさかもしれないが、「システムが自動化して私のいないところで回っていく」空虚さという共通点を、対極的なものに見出している。あるいは、自由律俳句の「咳をしてもひとり」的な寂寥感か。コメント欄のやり取りも軽妙だ。コメント陣が濃いオタクラスタを形成している。
  • 無題 - サンドバード::Diary
    • 「各属性が良質であるかどうかは、作品全体の面白さと関係がないことが多い。」
    • 「感想サイトが流行らない理由」の反応まとめ - 萌え理論Magazine(参考)
    • これは個人的に感心したコメント。「書評で本が売れない」とうっかり一言漏らしたら、ラノベ界隈総出で叩かれる*4ハメになった。世の中は説教したいと待ちかまえている人が多くて大変だ(「じみへん」)。だが、そんな中にあって一人だけ、読者側の視点でアドバイスしていた。確かに、物語の全体と属性が解離していることがよくある。属性を活用するとしたら、書評より機械検索になってしまうと思うが、ともかく考えさせられた。

デザインの優れていたダイアリー(3)

  • シナトラ千代子
    • 純粋にブログデザインだけで言うと色々あるのだが、公開デザインによるものが多いのでここでは外枠のガワだけでなくブログのエントリも含めた。毎回イラストを作成するのは手間が掛かるだろうと想像できるが、仕事が丁寧。
  • 聴く耳を持たない(片方しか)
    • アイコン作成なども含めて、デザイン力の勝利。はてなちゃんついったんのイラスト・ドット絵などもたくさん描いている。これはもしかしたら失礼かもしれないが、聴覚的な能力を補うように、視覚的な能力が優れていると感じる。そしてそれが、人の目を楽しませることにつながっているのは、少し素敵なことのような気がした。
  • なつみかん@はてな
    • デザインじゃないんだけど、取捨選択のセンスがとても優れていて、それはデザイン的な何か。このブログの文章が情報を詰め込み気味*5なのに対して、美味しいところだけスッと切り取って差し出す手つきがスマート。ハルヒの第一話など、旬の話題への反応が早い。ニコニコ動画をものすごい勢いでブクマする。

はてなダイアリーで開催された企画の中で、面白かったもの(3)

はてなダイアリー重大ニュース(5)

*1:ごね得の正当化(への皮肉)、くらいの意味か

*2:ちなみに、medtoolz氏が医療崩壊論壇が「上から目線」になりつつあることを指摘する。「レジデント初期研修用資料」がはてダではないのでアワードには入らないが、鋭いエントリだった

*3:「ぬかおののき」とか

*4:「一ヶ月位では辛抱が足りない」的な

*5:ただ、著作権のない画像や動画をなるべく貼らないようにしているので、文章だけで勝負するために膨れてしまう面もある

*6:電撃プレイステーションの「奴隷」とか

*7:まあ女子中学生が言うだけで満足だけど