書籍『入門! システム思考』
- 作者: 枝廣淳子,内藤耕
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/21
- メディア: 新書
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システム思考とは
この本によると、「システム思考」というのは、五十年代にMIT(マサチューセッツ工科大学)で確立され、GE(ゼネラルエレクトリック)・GM(ゼネラルモーターズ)・デュポン・マスターカードなどで、業務を効率化した実績があるらしい。東大の二人の研究者*1の共著。「入門」とあるので、とても平易に書かれており、読みやすく分かりやすい。問題解決のための一冊。
木を見て森を見ず
木を見て森を見ず、という言葉があるが、本書中では個別の木を見る視点を「分析思考」、全体の森を見る方法を「システム思考」と区別し、後者の方法論を解説していく。もちろん「視野を広げる」という位なら誰でも分かることだが、システム原型やシステム図などの思考ツールを紹介している。
一万匹降った猫
本書でかなり印象深い、次のような話がある。五十年代のボルネオでマラリアが発生した。その対策にWHOはDDTを散布したのだが、その因果関係は「風が吹けば桶屋が儲かる」式に巡り巡って、史上初、空から一万匹以上の猫を、パラシュートをつけて撒くハメになったのだという。ある解決策が、別の問題を引き起こす例として紹介されている。