エロゲ最強説の死角

ロリコンファル - 犠牲者にして支配者たるもの エロゲにおけるエロスのダイナミズム

sirouto2さんにも、ご機会ありましたらぜひ色々エロゲとかプレイして見て頂きたいな。

ありがとうございます。ただ、エロゲはプレイしてますけど、ブログには書いていません。なぜなら、プレイするエロゲが古いものだからです。一部の有名なブランド以外は、古いと反応が悪いんですね。なぜ古いかというと、一世代前のゲームはコストパフォーマンスが良いからです。秋葉でワゴン売りの無名作を一山くらい買い付けてきて、ネットの攻略を見ながら、テキストスキップを駆使して、ボンボンクリアしていきます。私が貧乏性なので、新作ゲームで同じように速攻クリアをするのは、もったいない気がするんですね。そんなわけで、新作レビューより、エロゲがよく用いるパターンについて、書くことが多いわけです。

ロリコンファル - エンタテイメントの娯楽力を算出してみるテスト −エロス、混沌の力−

総合娯楽力のランキングは、

一位 エロゲ 90点
二位 ゲーム、エロアニメ 70点
三位 アニメ、エロ漫画、エロ小説 50点
四位 漫画、ラノベ 30点

とあるように、確かにエロゲ(ノベルゲーム)は、文章・画像・音声・操作と総合的なメディアで娯楽性が高いのですが、一方で、「コスト的な問題を評価に入れていない」とそこにも書かれているように、コストパフォーマンスが悪い面があります。それを考慮に入れると、アニメ(TV放送)やコミックやラノベはコスト的に優れていて、順位がひっくり返るでしょう。特に最近のエロゲは重厚長大になってきて、表現の技術は確実に進歩しているので良いのですが、遊ぶ方は(たぶん作る方も)疲れてしまうところがあります。

シナリオの容量が1MBを超えるのは当たり前になってきて、まともにプレイ*1すると何十時間も掛かる。そうすると、新作大作エロゲを月何本もクリアしようとすると、週40時間プレイしないと追いつかないとか、労働時間並の作業になってしまいます。1本で8800円くらいと、単価が高いのもありますが、時間のリソース消費の方が、社会人には深刻な問題でしょう。冒頭のプレイスタイルは解決策の一つです。

個々のエロゲ会社の戦略としては、他に負けるわけにいかないから量を減らせないし、個々のプレイヤーとしても、同じ値段でわざわざ貧弱なモノを選ぶ理由もないから、エロゲ界全体のボリュームインフレが進みますが、ユーザの可処分時間という限られたパイの奪い合いから後戻りできなくなります。このイノベーションのジレンマは、3DCGが進化したコンシューマゲームにも見られます。

kagamiさんはエロゲーマの鑑なので、膨大なリソースをつぎ込んで――ただ、エロゲは後でも買えるので、くれぐれも健康にはご留意ください――おられますが、そうした屈指のヘビーユーザ以外には、エロゲは少々敷居が高くなっているかもしれません。エロゲー批評空間のような有名所以外は、エロゲレビューの裾野があまり広くないのも、そういう面が影響しているかもしれません。ただ、最近、長大化の反動というか、もう少しライトユーザ向けの、低価格層のエロゲが出ていますし、将来的には携帯ゲームに進出することもありえると思います*2

*1:攻略を見ない、テキストスキップしない、セーブデータを使わない、CG回想をコンプリートする

*2:DSの「魔女裁判」はその兆候かも