ブログの生産性とイノベーションのジレンマ

ネットでネタ記事が流通しやすいのは、限界効用の逓減が早いからだと思います。文章の長さを二倍にしたからといって、あるいは二倍の時間推敲したからといって、アクセスも二倍になるわけではありません。

イノベーションのジレンマ」というのがあって、恐竜化した組織・商品の代わりに小回りの効くものが出てくるというサイクルがあります。コンシューマゲームのCGの技術革新が、市場の拡大につながらないので、コスト増で苦しくなっています。これも大雑把に、生産性の向上が収入に直結しない例です。

同様に、ブログで力んだ記事を書いても、手間の割りに受けないので、軽い記事をポンポン量産した方が、アクセス効率が良くなります。ギア比の問題でしょうか。ただもし、はてブが一記事に二つ三つとブクマできたり、ニュースサイトが一つの記事を二回以上紹介することがあれば、記事の濃さが反映されるかもしれません。

言葉のコミュニケーションの世界では、観測の仕方によって対象の価値が全然変わってきます。例えば、はてブのトップページで、「ブックマーク」を「ウンコマーク」に変えたら、ブクマされる記事の傾向が少し変わってしまうでしょう。名は体を表すだけでなく、中身を変えてしまいます。

散漫な話になってきましたが、要はネットのような純粋な人工的な環境では、技術的な前提が変わってしまうと、ガラッと変わってしまうということです。例えば、掲示板にしても、SNSにしても、ブログにしても、それが登場する前にはなかったようなコミュニケーションが出来ました。ある意味では需要の創造だし、価値創造だとも言えます。