アスペクト指向ブログ

アスペクト指向ブログ Aspect Oriented Blog (AOB)」というブログ(さらにWebサービス一般)の新しい書き方を構想します。前回述べた「オブジェクト指向ブログ」と組み合わせることで補完します。

断片

ネットでは一人が多数のコミュニティに属することが常態になっています。例えば、Aさんはブログを書き、SNSに入り、SBM掲示板でコメントしています。Aさんは年末年始に自分が書いたものを整理したくなりましたが、あちこちに散らばっていてあまりに面倒なため断念しました。このようなことはよくあることです。昨年一年にあちこちのブログで書いたコメントを全部探すのは容易ではありません。コメントするたびに自分が持っているデータベースや管理ソフトに記入すれば一元的に管理できるでしょう。でも普通はそこまでしません。Web上で最初から実現されていて、二度手間が生じない方が理想です。つまりインテグラルする仕組みが求められています。次ではこの事態をもっと抽象化・単純化して記述してみましょう。

横断

α β Γ
A a1 a2 a3
B b1 b2 b3
C c1 c2 c3

Aさんはα・β・Γのブログ・コミュニティで文章を書いています。別々のサービスなので、ブラウザに表示されるのはαのサイトでは「a1・b1・c1…」が表示されます。この一覧は掲示板ならスレッドの時系列順の表示、などです。しかし、「a1・a2・a3…」という風にサービス間を横断した一覧が見られれば便利です。さらに見るだけではなくて、書き込むこともできるようになれば便利です。

例えば掲示板で自分のレス番号に「>>」が付いたときだけ知らせてくれ、それにレスを返すことができるとか。掲示板のあちこちの板・スレを巡回して新着をチェックしなくても、掲示板全体に散らばった自分のコメントを見書きできるというシステムです。また例えば、現状ではブログのトラックバックは一つずつリンクを開いて見る形になっていますが、仮想的な掲示板のように、ページ遷移なしで一覧してくれれば、一度に見れます。さらにWebサービスの提供企業の垣根を超えられれば理想的です。

解説

もともとログインというのが、個人にデータを集約する仕組みなんですが、はてなのサービスで特に近い発想としては、はてダ全体で自分が書いたコメント一覧を自分のダイアリに表示する「mycommentモジュール」が挙げられます。また増田(はてな匿名ダイアリー)のユーザごとに自分の書いた記事が一覧できるのも近いかもしれません。

これを発展させて、はてダ全体からタグごとに読めるような仕組みは面白いかもしれません。はてブタグクラウドをそのままはてダに適用したような感じでしょうか。新着を羅列されても読みきれないし、はてブのusers数上位を抽出するとメンバ・話題が固定化します。個人ごとにアンテナやRSSはてブのお気に入りを整備しているでしょうが、サービスでやると全体を見渡せます。

私が共同執筆ブログの萌えマガを立ち上げたときに、「転載型ブログ」ということを提唱しましたが、全くといっていいほど受けませんでした。やはり個人の原始的な工夫には限界があり、サービスでシステムが用意されていないと流行らないでしょう。

他にも「はてなギルド」というのを考えたことがあって、例えばフォトライフでポイントを払えば、その人のイラストなり写真なり素材なりを自分のブログに転載していいよ、という仕組みです。それがあれば、小規模なDL販売と同じようなことになり、容量が少なくても借りる人が多くなる、というか少なくても有効に機能しそうです。

そうしたアイディア群の一つ一つは、その程度のことは割とどうでもいいことなんで、別にはてなアイディアに書こうとも思いませんが(似たアイディアが既出だろうし)、しかし「Web2.0」とでもいうか、その群全体が指し示す方向の先には非常に興味を持っています。