はてなセリフでお気に入りを得るために

人気のセリフ - はてなセリフ

画像の選択

はセリの台詞にお気に入り数による評価という要素が加わりました。「ウォーリーさんよ」をはじめ矢七ものは前のまとめでも入っていましたが、どの画像を選ぶかという時点で既に勝負は始まっています。


どんな画像が選ばれやすいか。まず新しい画像はまだ既出が少ないので、早いもの勝ちになります。人気の台詞には新しい画像が多いです。しかし、「わたしの時間です」もそうですが、長く使われている画像があります。はセリのトップにも人気ジェネレータが表示されています。


人気画像には傾向があります。まず、(架空のキャラも含めた)人物の画像が多いです。これは当たり前のようですが、やはり人物が書きやすいでしょう(しなもんは特別)。台詞は人物が喋りますから。無機物の場合は、文字が書かれる前提のものが使いやすいようです。


もう一つ、四角い枠があるか無地のものが好まれています。台詞を入れる枠が不定形の線だったり、狭くて数字しか入らないと、書きづらいし読みにくいものです。また、文字が「怨霊フォント」のみとか、方向性が限定されてしまうのも嫌われます。


方向性ということでもう少し掘り下げると、画像自体が単体で面白いものは実は向いていません。セリフが入れにくい。一枚絵で既に面白い感が漂っていると意外性が出しにくくなります。ただし、見たことがある有名人や有名な場面は別です。

ネタの考案

どうしてもご当地の「はてな」ネタが多くなりますが、なるべく画像に関連性があるネタを書くのが本筋でしょう。逆に画像と全然関係ない愚痴とか小言とか諷刺みたいのは白けやすいです。コピペ化して流通しているものも、少しひねって使いましょう。


例えば「わたしの時間です」は魔法少女はてなをベースに、はてなネタの内容を、ルパン(銭形)の台詞を借りて、喋っています。一つ一つの要素はみな知っていますが、組合せで新しさが生まれている例ですね。


既出が多いので(そのジェネレータの)過去の台詞を見て避けて欲しいところですが、さらにもう一歩踏み込んで、画像を観察してセリフを考えると、新しいネタが浮かぶでしょう。


このとき、画像の世界の外から指摘するメタセリフをやりたくなるときがあります。つまり、矢印を書いて「この部分○○じゃね?」みたいな。しかし、その路線は意外と受けないようです。それは基本的にマンガのコマの欄外の書き文字と同じで、補足的なものに留まるからでしょう。


もっと言うと、矢印を書いて「こいつバカ」みたいなものでは、単なる落書きに留まります。やはり、画像に内在して「いかにも言いそうなこと」を書くの方が本道でしょう。

人物の造形


ネタの考案をもう少し掘り下げて、一番使う機会が多いだろう人物・キャラの造形について見てみます。上の台詞は黒栗田や黒マイメロの流れができた例です。先行するコラ・コピペがあるので(例えば「性的な意味での〜」)、はセリで初めてキャラが立ったわけではないのですが、それでも結構面白い現象として注目しています。


これは、主人公などの物語の中心にいる人物ではなくて、もっと脇役すなわち中立的な第三者が言うから、面白いのではないかなと思います。矢七とか喋る馬のエドとかコロ助とかもそうですね。ウルトラマンウルトラマンに変身しているときは喋らないし。魔法少女はてなしなもんも、はてなに対してそういう他者の立場ですね。そういうわけで、脇役による物語の相対化という手法は、結構応用が利きそうです。

文字の整形

ネタを思いついた後に実際に書くわけですが、完成度を高めるためにはここで推敲と整形を行います。特に枠が狭くて文字が多く入らない場合、半角を使うなど字数調整の手腕が必要になってきます。また無意味に枠をはみ出したり、読みにくいものもよくないでしょう。


「、」「。」は縦書きでは位置がずれて使えなくなります。仕様です。私は区切る必要がある場合は「・」で代用しています。また、「ー」は縦書きでは別の棒の記号に置き換える必要があります。私は「|」で代用しています。


吹き出しが用意されていればいいのですが、無地の場合は人物と台詞の距離が重要になります。というのは、二人以上いる場合にどちらの台詞なのか示す機能と、台詞の「間」を表現する機能が位置に備わっているからです。


フォントが二種類以上用意されている場合は、台詞が収まる範囲で大きい文字、また明度差が大きいものを選ぶのが基本です。フォントは意図がなければ、明朝やゴシックを使います。あくあや特に怨霊は使いどころが難しいです。またツッコミの小さい文字も多用(二箇所以上)すると読みづらいです。


このほかにも例えば、人物の左右が空いているときに、顔を先に見るか字を先に見るかで違ってくるでしょうし、書く段階でも調整することは意外と多くあり、バランス感覚が必要になります。

補足・蛇足

画像に台詞を入れて遊ぶ、はセリの発想というのは、直接にはネットのコラでしょうが、松本人志の「写真で一言」とか「バカドリル」とか「いつもここから」とか「VOW」とか、系譜を遡ることもできるでしょう。赤瀬川源平路上観察とか。


VOWの解説で山田五郎が、(VOWの手法というのは)公権力の空転に対する指摘だというように言っていたと思いますが、長いものに巻かれやすい日本人には、権力に対する消極的な抵抗というのは好まれやすいのかもしれません。


それはともかく、この前はセリがリリースされたばかりなのに(匿名化で消費速度を速めたりするから)もうみんな飽きてきてしまったようです。現時点で代用が効かず、それほどマニアックなものではないので、誰も使わなくなることもないでしょうが、せっかくだからあともう少し工夫して使えれば良いなと思います。