ラフのように曖昧な文章

ラフな線は眼の錯覚で綺麗に見えるイラストの法則があります。迷い線をクリーンナップしてみると大したことはない。だからラフ同人誌は楽なのですが、この確率化戦略は文章にも当てはまります。「たぶん」「ように」「〜かも」などは言葉を濁す、すなわち文章の彩度を落としてグレーに近づけます。「Aということが必ずしもなきにしもあらずとも思える〜」とか書く位ならいっそ「A。」と書きたい。しかしここでの問題は、それでは主張の色が強すぎて「非A」と思っている者から批判が来ることです。それに対して曖昧にしないで主張を弱める解決法としては、「BならばA。」と書くことです。この条件法は、文章という形式特有の表現です。曖昧に言わず、無根拠に断言もせずに、「男の視点から見た〜」「90年代アニメについての〜」「ラノベに対してエロゲは〜」という風に限定的に述べるという方法論です。