なぜはあちゅう主義が大成しないのか

来月に持ち込まないために今書いておきます

はあちゅう主義。:小娘が何か言ってます。 元記事
はあちゅう途中報 まとめ


はあちゅうは、文部科学大臣のスピーカーだった 意外な新事実
最初は「ネタ」「釣り」「はいはいワロスワロス」「こやつめワハハ」だと
思われていたのだが、実は意外に根が深い問題かもしれないので改めて書く。


学生さん的正義について考えてみる 現実と理想の二項対立を拒否する
以前はわりと手ぬるい批判をしたのだが、今回はわりと本気で批判してみる。

内在的な矛盾を批判する

単に特定のキーワードを使っているから、それによってラベリングして
機械的に否定しているわけではない。そうではなくて内部矛盾がある

そういう低レベルなことをぼやいてる奴らをまとめて、カルカッタマザーハウスとかルワンダとかに全員ボランティアに行かせるべきだと思った
向こうも迷惑だろうけど、頭下げて勉強させてもらいに行くべき。

まずはジャブから。
強制的なボランティアはボランティアだろうか。
また向こうが迷惑なボランティアはどうだろうか。


ニートは国民の三大義務である
勤労、教育、納税の「勤労」をしてないから非国民だ」

人間力が落ちてる!!
人間力を上げる教育が必要不可欠だと思われ。

愛国心がないから」。

非国民と呼ぶ方が人間力が落ちていると思う。
それに非国民と切り捨てるのは愛国民心がない。
要するに一方的に奉仕するべきだという考えか。
(ただし正確には非国民と呼んでいるのは友達)

愛国心がないと、国力は上がらないから、資源のない日本は簡単に植民地化されちゃうであろう。

愛国心」に「植民地」に「ルワンダ」。これらの言葉と、
人を殺してはいけないという理由の結びつき方が不明である。
ルワンダでは民族を巡る対立で大虐殺が起きたわけだけど、
少なくともこれらの言葉の間の関係は考えてみてほしい。
使ってはいけない、ではなくて語間の齟齬が問題なのである。


ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 『ホテル・ルワンダ』なんか何の役にも立たない!  この人を見よ! 関連


ところでこれは単なる憶測だが、
ニートは非国民だと切り捨てられるけれど、
家事手伝いはたぶん切り捨てなさそうな予感がする。


いくら勤労の意志があっても消費の需要がなければ労働の需要もない。
そこで少子化が問題になるだろうけれども、国力上昇のために
子供を産まない女性は非国民だとは決して言わない気がする。
ニートはすべて意志(人間力)の問題だが、
少子化はすべて子育ての環境の問題だと言いそうな気がする。

はあちゅう主義が大成しない理由

私が感じる、はあちゅう主義への苛立ちは、つまりこうだ。


全体的に言葉が受け売りで自分でよく消化していない上に、
自分が非国民の側に回る可能性を少しも考慮していなくて、
何らかのリスクなりを自分も背負うのだという葛藤や意志
がほとんど見られないところにある。だから学生的な正義
それもこれから金持ちやマスコミになろうという正義なのだ。
自分も不利益を蒙ることを想定していないから、胡散臭いのだ。


本気で天下国家の主張をすることは、本当は大変なことなのだ。
自分が起こせる重さのバイクに乗れというが、自分が扱える
範囲の言葉を使った方がいいと思う。だからこのブログでは、
基本的に政治的な問題は扱わない(扱えない)のである。
今回ははてブで話題になったので少し言及してみたけれど。


じゃあどうすればいいかというと、とりあえずもっと上品に書けば叩かれない。
それは何も定型文のように自戒メソッドを使えということではない。


中国の教育については、誰でも言えることではないので、
文科省のバイアス入りだとしても)まずその事実について
述べれば、その部分についてはまともに読まれるはずだ。
それに基づいて、教育問題などについて述べればいい。
少しでもいいから、自分と対立する側の視点で書くといい。
そしてもともとニートの概念もマスコミが輸入して広めたように、
自己の立場への洞察も含めて書けば、厨っぽさは抜けるだろう。

はあちゅう主義が大成しちゃう理由

んでも、冒頭の話に繋げると、こういう人が
ブレイクしちゃいそうな雰囲気が今はある。


居合いで動いた方が負けというような
状況〜ネットでは書き手がゴロゴロいる〜では、
粗雑に書かれている方が、話題にしやすくて、
人気になってしまう状況はある。要するに炎上効果。
主張自体の是非よりも、それがまずいと思っている。
このブログもわりと例外ではないので、他人事ではないけれど。


近い将来、『はあちゅう主義』が出版されて、
帯に「ニートは非国民だ!」だとか書いてあって、
裏表紙に「人間力テスト」が十問あったりして、
ネットで話題になって〜若い人に支持〜」とか
書いてあって、ささやかに片棒を担いでしまって…。


いや、これはかなりマジである。なぜなら、
すでに彼女の本は、一冊書籍化されているからだ。
(さすがに紹介しないので、欲しい人は自分で検索して探してください)
せめて文部科学省とか朝日新聞は推薦しないでほしい。