Wii版『ラブプラス』を構想してみた
概要
- 出版社/メーカー: コナミデジタルエンタテインメント
- 発売日: 2009/09/03
- メディア: Video Game
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(※以下は個人的な構想で、実際のゲームの説明ではありません)
ギャルゲーは現実シミュレーターではない | Half Moon Diary
ギャルゲーっていうのは、どれだけ理想的な女の子を描けるか、つまりどれだけ現実とかけ離れられるかを追求するゲームなのです。それはなぜか? 現実に近づければ近づけるほど、ゲームより現実の女の子と付き合えばいいじゃんっていう話になるからです。
なぜゲームの中でまで、現実に行ける場所でデートしなきゃならないのか。フィクションの中でしか行けない場所でデートするから楽しいのではないでしょうか?
上記の元エントリへの再反論を行なうと共に、より実現可能性の高い空間同調型ゲーム、すなわちWii版『ラブプラス』(※発売されていません)を構想します。
ゲームのシミュレーション化
元エントリでは、現実と理想に二分*1した上で、ギャルゲは理想を追求した結果、現実とかけ離れているものだとしています。本当にそうでしょうか。
たしかに、ギャルゲの設定や物語には「現実離れ」した要素が見られます。しかしそれは、設定・物語レベルでの指向性です。表示・操作レベルでは、現実を指向しています。
技術の進歩によって、ゲーム全体に「シミュレーション」化の流れが見られます。たとえば、格闘アクションやレーシングゲームでも、3Dになってよりリアルになっているでしょう。
ゲーム全体の話は長くなるので別の機会に回し、美少女ゲームに限定しましょう。たしかに、美少女ゲームにおいては、他ジャンルに比べると、進歩が遅いところがあります。
それでも、PCやゲーム機の処理能力・媒体容量の増加によって、フルカラーやフルボイスの実現、3DCGの導入といった要素については、現実に近づいています。
さて、前の考察については、可能性を取りこぼさないために、空間同調のスケールにこだわりませんでした。しかし、実現可能性を高め、ゲームならではの要素を取り入れるために、一部屋レベルの空間同調型ゲームを考えます。具体的には、Wii版『ラブプラス』の構想になります。
構想・Wii版『ラブプラス』
前提
先に断っておくと、Wiiはギャルゲに向かないハードだと思います。『涼宮ハルヒの激動』『お掃除戦隊くりーんきーぱー』などギャルゲはなくもないですが、ギャルゲとユーザ層が異なっているような気がします。
しかし、別にWiiにこだわっているわけではなく、PS3やXBOX360やPCゲームでも構いません。『ラブプラス』がDSで出ていることとの関連で、さしあたりWiiを想定しています。
先例としては、DSとWiiの両方で近い時期に出たギャルゲに、『涼宮ハルヒの並列』『涼宮ハルヒの直列』があるので、DSからWiiへの移植はありえなくはないと思います。
『ラブプラス』をWiiに移植することによって、画面が大画面で高画質になる面もありますし、携帯できなくなる面もあります。DSのタッチペンからWiiリモコンへの置き換えは、プレイ感覚は全く変わりますが一応できるでしょう。
ここでは、一連のエントリとの関連から、「空間同調」というコンセプトを活かしたものにします。
一部屋完結タイプの空間同調型ゲーム
原作を忠実に移植するという考え方もありますが、ここでは携帯機と据え置き機の違いを活かして、DS版と内容が異なるWii版『ラブプラス』を想定します。
私としては、「そこにいるだけでプレイできる」という、新しいプレイスタイルを提唱したいと思います。どういうことでしょうか?
まず、コントローラーを握る必要をなくします。代わりに、音声認識によって応答・操作できるようにします。これによって他の作業をしながら操作する「ながらプレイ」ができるので、ボリュームインフレを解決しつつ、かつ、ボリューム不足にもなりません。
ここで「空間同調」というからには、「フェイストラッキング」の機能も、不可欠ではありませんが、欲しいところです。部屋の家具の場所を入力して、ここの位置にいるときは机に座っているとか、布団で寝ているといったところまで、もしできるようになれば、なおよいです。
また、将来的にはBluetoothでより高度なことができるようになるかもしれません。それから、デスクトップマスコット的に、Webから情報をダウンロードする機能もあると便利です。
新しいプレイスタイル
ここまでをまとめた、具体的なプレイイメージはこうです。部屋で何か作業するときに、ついでに*2ヒロインと会話する、というプレイスタイルになります。
ヒロインとは、作業がはかどっているかどうか、などの雑談を交わします。純粋にゲームに集中しているなら、人工無能的な噛み合わない会話だと飽きてきます。が、作業を進めている前提なので、それも大して気にならないと思います。
さらに近未来的な話をすれば、有機ELディスプレイを壁一面に貼り、部屋の壁(天井・床*3)全体を画面にすることも考えられます。ヒロインは壁を自由に動き回れます。
すると、ディスプレイの背景を変えれば、部屋にいながらにして様々な場所をバーチャルに体験できます。「Googleストリートビュー」のような画像を用意すれば、現実に近い仮想空間になりますし、『ドラクエ』の地図のようなファンタジーの架空の空間でも構いません。
ここまでくると、以前のエントリで書いた、ヒロインと外に出かけるのと逆の形になります。しかしこれは、どちらが理想でどちらが現実、といった単純な二分ではなくて、どちらも人工現実です。
結論
そもそも、今までの美少女ゲームでも、攻略本必須プレイ、選択肢総当たりのプレイ、ボリュームインフレなど、別の面の「現実」があるわけですし、そういう面倒くさい作業から解放されて、より直接的にコミュニケーションできることを、「理想」と言っても構わないのではないでしょうか。
このようなまだ実現していないゲームをめぐって、それが面白いものになりうるかどうか、あるいは理想か理想でないか、といった水掛け論はしません。
ただし、理想を目指すというときに、それでは具体的にどのようなゲームにするのか、といった案がなければ、「いやそれは理想ではない」といっていくらでも却下できます。したがって、少なくとも「代替無き批判」だ、無内容な批判だということは言えるのです。
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