アニメレビュー

  • 「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」:第二話「まっすぐでゴー」
    • 非常に丁寧に作っている作品。手抜きの言い訳に萌えを持ってくるような作品と一線を画している。まず、学園ものの保守的萌えで、未来に過去のユートピア像を投影するノスタルジックな視点や、ダメ組織に元気主人公が乗り込んで活性化させる物語展開の手法はありふれている。第一話で幻想の光景が広がるといった演出はどちらかといえばベタ。なんだけど、凡庸な萌えアニメが適当に描いている細部を丁寧に磨き上げて光らせている。例えば第二話では背景が奥行きを持って描かれているんだけど、それだけで印象が全然違う。あと前回でのED画面も効いているし、二話の終わり方も面白い。テロップの流し方に最終回感があって贅沢。この先が楽しみになる。しょぼいアニメが最初の数話で、脚本だけは思わせぶりなのに、作画崩壊してもうオワタと感じさせる、ありがちな失速展開と全く対照的。
  • ひだまりスケッチ」:第二話「ニッポンの夏」
    • 原作は萌え四コマ系。「ぱにぽに」っぽいと思ったら、やっぱり監督は新房昭之。例によって演出過剰気味だけど、色彩などの画面構成のセンスは鮮やかで良い。ルーレットがやたら目立つんだけど、それよりドアの色の組合せとかちょっとした細部にハッとする。また、マンガ的手法の導入は「彼氏彼女」とかもあるんだけど、マンガで見ているデフォルメキャラを、TVの画面の大きさで見ると、それだけでかなり新鮮な印象がある。しかし欲を言えば、後半になるとさすがに使いまわしに飽きてくる。大アップ・カメラ揺れ・実写モチーフとか、演出パターンにも馴れてくるし、ストーリー構成もまあ大体はブラフで間を持たせるのだろうと読めてしまう。祭りのモブに至っては何かと思った。これが例えば15分なら「上手く端折っている感」が出る前に終われるけど、最後まで意識を釘付けにするのが難しい。
  • セイントオクトーバー」:第三話「ロリ共闘!お嬢様だって超変身!」
    • ゴスロリは繊細な画面にできる作画力が要求される。コナミつながりでいうと、どちらかといえば「おとぎ銃士 赤ずきん」の方が優れている。「童話迷宮」も良い曲だし…。題名は面白いけど、中身を見ると、展開や画面が単調。ただ、話の流れはユルイけど、印象は濃い。小十乃信者の菜月と、全く抑圧のないユアンが、美味し過ぎるキャラ(のペア)になっている。あと狙い過ぎの変身シーンとか、全編ツッコミどころがあって、これはこれで飽きない。「ウテナ」位、美意識が画面に反映されていたら、かなり魅力的だったろうと思う。

蛇足だけど、「コードギアス」のOPテーマは、ちょっと雰囲気が合わないかもしれない。やはり前回のOPが良かった(EDも良かった)だけに。