「組織を強くする技術の伝え方」書籍レビュー

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)

著者は「失敗学」関連の本を書いている。本書ではより平易に技術者が技術を伝える・伝えられるための心構えを説いている。著者は先に現場で実体験を積んだことが設計に生きているとか、マニュアル的な技術は形骸化しがちだとか、それほど驚くようなことはあまり書かれていないが、地味でも重要なことは書いてあるっぽい。どちらかというと教訓よりも豊富な具体例が参考になる。例えば回転ドアの事故の例で、十ジュール則という経験則があるらしい。何でもかんでも叩くがすぐに風化するメディアよりは実になる内容だろう。