文章と絵ではどちらが難しいか

文章と絵ではどちらが難しいか

ウィンドバード::Recreation - 小説を書くのとイラストを描くのってどっちが難しい?

素人がパッと見でイラストを判断するとき、テクニックがないって致命的なんですよ。基本的に素人審査ではセンスは評価対象外なわけですから。でも、それなりのイラストは練習しないと描けない。練習が必要だということを考えると、イラストを描く方が難しいのかなぁ、と思ったり。どうでしょうね?


大方の予想に反して、実は文章の方が難しいんですよ。「えーなんで、写実的な絵は誰が見ても凄いと判断できるけど、文豪の文章は簡単には判断できないよ」という声が聞こえてきそうです。それにイラストの練習は何年も掛かるけど、小説はとりあえず形にするにはそれより短くて済みそうです。大体絵日記より文章のブログの方が多いのは、簡単だからではないでしょうか…。ところが、それが違うのです。なぜか。


英語の文章で小説を書くとしたらどうでしょうか。英語がペラペラな人は他の言語で。そう、小説の方が簡単そうに見えるのは、われわれが基礎的なインフラを既に習得しているからなんです。言葉は物心ついてからずっと使っていますし、読み書きは義務教育だけで10年近くやっています。しかし、絵に比べて技術を誰でも持っているために、希少価値が生じない。ちなみに、識字率が低い国だとまた違ってきます。

将棋と麻雀

あと少しだけ続けます。これはかえって分かりにくくなるかもしれませんけど、絵と文章の難しさの違いというのは、将棋と麻雀の違いと似ている気がするんですよ。つまり、ランダムで不確定な要素があるかないかという違いです。将棋には見えない要素はないんです。少なくとも盤上においては「運が悪い」ということはないんです。また詰みが生じた場合は、たとえ素人であっても、客観的に指摘することが可能です。これはデッサンの狂いの指摘にかなり近いと思います。対して、麻雀には手を予想する要素が大きいですが、これは小説の行間を読むことに近いような気がします。整理すると、両者の適性の違いは、不確定要素に由来すると考えています。