コミックサイト紹介

マンガ市場ドットコム


前回の464.jpがこれから新人育成をはじめようとしていたのに対して、こちらは既にシステムを運用している。マンガを投稿・公開して、投票で500人集まれば(オンデマンド)出版、作者に掲載料が15%入るという仕組みだ。また同サイト内の「委託市場」ではオンラインで読む形の委託販売、携帯での閲覧、アニメの募集、独自のビューア、マンガの専門学校との連携など、面白い試みが数多くある。また外国からの参加者もいる。ただ、登録作品数が1000程度というのは、DLsiteの登録作品数が約18000あるところから見ると、さほど多くはない。


コミックサイトで重要になるのは動機付けの問題だ。作者に対しては自分のサイトで発表しても構わないところをあえて参加してもらい、読者に対しては既に大量に供給されている紙媒体のマンガではなくてあえてネットで読んでもらう。これを解決する方法としては、作者に対しては課金方法を用意し(個人で用意するのは大変。通信販売という手もあるが面倒)、読者に対しては無料で読ませるというモデルがある。どこから運営費用が出てくるかといえば、一つは基本的に無料で一部を有料にするのと、もう一つはスケールメリットで、大量に読者を集められれば広告から捻出できる。とはいえ現実にはなかなか難しい。


少し違う角度から動機を考えると、せっかく電子媒体なのだから、紙ではできないことをすればいいとは考える。例えばコマをクリックすると絵が変わるだとか、デジタルコミック的な何かを。しかし、そうした試みは実験的なものに留まっている。普通にFLASHで紙芝居を作った方が、パーツも使いまわせるし、音楽も入れられるし、何となくメリットがありそうだ。それに紙媒体と差をつけると、紙の原稿を使えない、同人誌として売れないというデメリットも生じる。将来的に、3Dのモデリングデータから、ネームスクリプトに沿って、台詞には吹き出しをつけ自動でコマ割りし、トゥーンレンダリングするような生成ソフトが出れば違うだろうが、今のところは画期的な解決案は出ていない。そこら辺の課題も連載で考えていきたい。