なぜ『アイドルマスター ディアリースターズ』はDSソフトなのか?
概要
アイドルマスター ディアリースターズ 特典 アイマス芸能界のアイドル雑誌「ViDaVo!“ビダヴォ!”」(ヴァイスシュヴァルツ アイドルマスター PRカード「876プロ」封入)付き
- 出版社/メーカー: ナムコ
- 発売日: 2009/09/17
- メディア: Video Game
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『アイドルマスター ディアリースターズ』は、ニンテンドーDS用ソフトとして、ナムコ(バンダイナムコゲームス)から発売された。発売から約一週間経った現在で、約3万本の販売実績がある*1。ここでは『ディアリースターズ』をゲームハードの面から考察しよう。
なぜ『ディアリースターズ』はDSなのか?
ゲームハード | ニンテンドーDS | PSP | Wii | PS3 | Xbox360 |
---|---|---|---|---|---|
累計販売台数 | 2765万台 | 1265万台 | 861万台 | 361万台 | 113万台 |
2009年9月時点での、ゲームハード累計販売台数(国内)を、上の表とグラフにまとめた。このように、ゲームハードの普及台数には圧倒的な差がある。据え置き機三種を合わせてPSPと同じくらい、さらにPSPも含めたDS以外の4種を合わせて、やっとDSと同じくらいの台数になる。
これを見れば素人目にも、DSやPSPでリリースする動機が一目で分かるというものだ。そして実際、家庭用機の初代*3『アイドルマスター』と続編の『ライブフォーユー』(L4U)はXbox360だが、『アイドルマスターSP』三作品はPSP、『ディアリースターズ』はDSで販売されている。
普及台数と解像度の順位が逆転する
ゲームハード | ニンテンドーDS | PSP | Wii | PS3 | Xbox360 |
---|---|---|---|---|---|
最大画面解像度 | 192×256(2画面) | 480×272 | 720×480 | 1920×1080p | 1920×1080p |
(※ゲームハードの性能なので、個々のソフトが動作する際の解像度は異なります。ちなみに、Xbox360の『アイドルマスター』は1280×720)
今度は画面解像度を見てみると、普及台数の順位が綺麗にひっくり返る。これは、高画質な据え置き機よりも、ライトユーザを獲得した携帯機の方が、現在のゲームシーンを制している、ということを意味しているだろう。だから、携帯機、特にPSPへのPSギャルゲ作品の移植は多い。
だがユーザ側から見てみると、アイマスは続編が出るにつれて解像度が落ちていく。もちろん、よく言われるように、ゲームの面白さはグラフィックだけでは決まらない。だがアイマスにおいては、3DCGで描かれるダンスステージのシーンが、大きな魅力になっている。
アイマスをアニメ化した『アイドルマスター ゼノグラシア』は、アイドルではなくロボットアニメになった。時にアイマス史においては、ユーザのニーズとバンダイナムコの方向性が食い違う場合がある。
たとえば、『ラブプラス』はDSのインターフェイスを最大限に生かしているが、『ディアリースターズ』は他ハードもありえたのではないか。次でその詳細を展開する。
アイマス仮想戦記
完全に仮定の話になるが、DS以外のハードで出していたらどうなっていただろう? ハードの普及台数が少ないから、不利になっていただろうか。私はそうは思わない。結論から言うと、あまり変わらない(だから解像度の高いハードで出してくれると嬉しい)、と考えている。なぜそう言えるのか?
家庭用初代『アイドルマスター』は、2007年1月25日に発売された。そのときのXbox360販売台数は30万台強。発売から一年後の2008年1月には、10万本*4の売上を達成した。そのときのXbox360販売台数は60万台弱。実にハード所有者の6人に1人が、『アイマス』を持っていた計算になる。
さらに、2008年1月時点で、10万本売れたXbox360用ソフトは、『ブルードラゴン』『デッドオアアライブ4』『アイドルマスター』の3タイトルしかない。そのような経緯もあり、ハードの普及台数は壁にならないと考える。
逆に、DSがXbox360の25倍普及しているからといって、ソフトも25倍になるとは思えない。だから、Xbox360、PS3、あるいはWiiでのリリースもありえたと考える。画面が高画質なら、DLCの売上があるし、映像を流用したMAD作品によるCGM効果も高まるのが利点だ。
これは後出しだが、DSで『ラブプラス』と張り合うよりは、Xbox360で『ドリームクラブ』にぶつける方が、浮動層に対して有効だとも思う。というより、高画質のアイマス的ゲームを欲しい層が、『ドリームクラブ』に流れているかもしれない。
ただし、反対の視点で言うと、Xbox360用第二弾の『L4U』よりもPSP用の『アイマスSP』の方が売れた、というのは大きいかもしれない。しかし、『アイマスSP』は三作品の合計なので、単純に比較はできない。
それから、PSP用ソフト『初音ミク Project DIVA』は、発売一週間で約10万本を売り上げた。アイマスに近い発想だし、ニコニコ動画の御三家同士で、何か絡んだら面白かったと思う。さらに、『初音ミク』と連動した『L4U』のような、PC用ソフトもあれば、話としては面白い。
初音ミク -プロジェクト ディーヴァ-(特典なし) - PSP
- 出版社/メーカー: セガ
- 発売日: 2009/07/02
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秋月涼は高画質で鑑賞すべき存在
以前の記事で、『らきすた』『けいおん』『東方』など、「ユル百合」系の作品が流行していると書いた。そして、「男の娘」も同じ同性愛的嗜好である。だから、『ディアリースターズ』の秋月涼は、萌えの最先端にいるキャラクターだ。
しかし、それならなおのこと、高画質な映像が欲しくなりはしないか。「男の娘」というキャラクターは、外見の可愛さから来る驚きとギャップによって、「こんなに可愛いのに女の娘のはずがない!」と十全に威力を発揮するからだ。
画質が荒いと、脳内補完が男になりやすい分、「女の娘」より不利になってしまう。秋月涼は高画質で鑑賞すべき存在なのだ。そういうこともあって、HD画質の『アイドルマスター2』が待たれる。
関連作品
アイドルマスターツインズ Xbox 360 プラチナコレクション
- 出版社/メーカー: ナムコ
- 発売日: 2009/03/12
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*1:正確には、9月25日時点のアスキー総合研究所調べで約2万9千本、26日時点のメディアクリエイト(http://www.gpara.com/ranking/mediacreatebn/ranking_20090926.php)調べで3万1千本
*2:http://ascii.jp/elem/000/000/463/463082/
*3:原作はアーケード
*4:プラチナコレクション版も含む