『ラブプラス』より未来のギャルゲを構想する2・空間同調型ゲーム

概要

ラブプラス

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(注:以下は個人的な構想で、実際のゲームの説明ではありません


『ラブプラス』より未来のギャルゲを構想する - 萌え理論Blog


未来のギャルゲを構想したい。前回は、ギャルゲ最前線に位置する『ラブプラス』の時間同期性を応用することを考えた。今回は、時間同期性の概念を拡張した、空間同調性について考察していく。

ここでいう空間同調性とは、現実空間と同調して、プレイヤーが移動すれば、ゲーム内の場所も移動する、という性質のことだ。具体的にはどういったことだろうか。次で詳しく展開しよう。

構想・空間同調型ゲームの可能性

キャラクターとアキバに行く

時間の同期は時計を使えばできる。空間の同期もできないか。GPSやカメラなどを使って、プレイヤーの位置を補足し、現実とゲーム内の空間をリンクできないだろうか。

たとえば、秋葉原に行くと、ゲーム機の画面にも秋葉原が映る、といった感じだ。プレイヤーとキャラクターとの間で、「この前はあそこに行ったから、次はここへ行きたい」といったデート的コミュニケーションができれば面白い。

これは『ラブプラス』の彼女を持ち歩くというコンセプトをより徹底させたものだ。すなわち、時間だけでなく空間も同期して、バーチャル性をより高めるということにほかならない。

実現可能性について触れておくと、後述するように、ナビゲーションソフトにキャラクターボイスが搭載されているものがすでにある。

また、「Googleストリートビュー」では、Web上に現実の空間を仮想的に再現した。ユーザは、現地まで行かなくても、仮想空間を移動する体験ができる。このデータが、携帯用ゲーム機から常時利用できるようになることも想定できる。

テーマパーク空間連動ゲーム

全国でなくても、テーマパーク内だけでの実現でも、十分魅力的だと考えている。たとえば、「東京ディズニーランド」内で、ゲーム機の画面に風景とディズニーキャラクターが映るソフト、というのはどうだろうか。

テーマパークやイベント会場の性格によっては、会場の入場料とソフトウェアのいずれかを無料にする、というビジネスモデルもありうるだろう。既存のゲームにオマケ的要素で入れるというのも可能だ。地方から来られない問題に対しては、DLCダウンロードコンテンツ)で追加インストールする、という手がある。

ひとつのテーマパークでなくても、特定の地域の組織が手を組めば、仮想的テーマパークになる。たとえば、秋葉原の各ショップのキャラクター(ゲーマーズの「デジキャラット」やとらのあなの「美虎」など)が、店舗の前に通りかかったときに、出現するという形にすれば、店の宣伝にもなるので作りやすくなる。ちなみに、これはフリーペーパーの手法に近い。

空間との連動技術が普及すれば、同人ソフトにも広がるだろう。そうすると、地元のローカルな場所にキャラクターを出現させられる。そして、タイトルはギャルゲだが、エロゲにも応用できそうだ。*1

キャラクターのユビキタス

このようなキャラクターのバーチャル化・ユビキタス化の発想は、アニメ『電脳コイル』や、いわゆる「聖地巡礼」、あるいは萌えキャラでの地域振興と共通するものがあるだろう。そもそも「抱き枕」というのを、バーチャル(なキャラクターのレンダリング)化の原始的形態だと捉えている。

だが、技術的進歩を抜きにして、純粋に発想だけを見てみると、キャラクターのバーチャル化・ユビキタス化というのは昔から珍しくはないように思える。宗教における偶像(崇拝)は、遍在する神仏を神像や仏像に具現化する行為ではないか*2

ここまで、空間同調型ゲームの可能性の構想を述べてきた。これは、全く実現可能性がない空想、絵に描いた餅というわけでもない。次では、実際に実現している技術を見ておく。

補足資料

ナビゲーションソフト

MAPLUSポータブルナビ3 - PSP

MAPLUSポータブルナビ3 - PSP

GPSレシーバー

GPSレシーバー

(注:MAPLUS ポータブルナビ3』のナビゲーションには、対応するGPSレシーバが必要です。

MAPLUSポータブルナビ3


MAPLUSポータブルナビ3』では、PSPGPSレシーバで、全国のナビゲーションを実現した。しかも、「声優ナビ」や「きせかえ機能」が搭載されている。『ハヤテのごとく』のキャラクターがナビゲーションするのだ。

AR(Augmented Reality)

電脳フィギュア ARis (アリス) GTE_AR_001

電脳フィギュア ARis (アリス) GTE_AR_001

電脳フィギュア・アリスオフィシャルガイドブック

電脳フィギュア・アリスオフィシャルガイドブック

(注:ARやフェイストラッキングを実現するには、Webカメラが必要なので、別途ご用意ください。ただし、『Tech48』にはWebカメラが同梱されています。また、『3Dカスタム少女』では公式サイトで配布されているパッチの適用が必要になります。

電脳フィギュア

「AR(拡張現実)」技術では、特定の模様が描かれたキューブを検出することで、現実の風景と仮想キャラクターが同一画面内に表示される。

フェイストラッキング

3Dカスタム少女

3Dカスタム少女

Tech48

Tech48

「フェイストラッキング」技術では、プレイヤーの位置をカメラが検出して、ゲーム内でキャラクターを見る視点が変わる。

*1:たとえば、割高なので実現可能性が低いと思うが、好感度が上がるとヒロインをラブホテルに連れ込めるというシステムを想定できる。もっと実現可能性が高いのは、ヒロインを自室に監禁している設定のエロゲだろう。

*2:ただし、像自体を礼拝するのか、像が表現するものに対して礼拝するのか、といった解釈の相違はある。ここでの本題ではないので、深入りしないでおく