はてなの最速化

ソフトと人

前のエントリで、はてなの生命線は、キーワードとブックマークのサービスだと主張しました。電車から降りるとホームにすぐキオスクがあるように、検索するとすぐキーワードやブックマークのページがあるという、立地の良さは非常な強みなのです。

もう一つ、京都移転より人材流出の方が深刻な問題だと考えています。IT分野は最先端なので、あまりにも素朴なことが見えにくいのですが、ソフトウェアは人が作ります。人からソフトが生まれます。

これは、「人は石垣、人は城」みたいな「校長先生のお話」ではなくて、ソフトウェアの生産には人件費が多くを占めるので、経済的にもそのように捉えられます。そして、はてなはWeb系エンジニアが多く使っているので、優秀な人材を身近な所から登用できます。

はてなは変な会社」だと言いますが、(Web上の)立地や人材の強さは、普通に強みだと言えるでしょう。しかし、立地は前回書きましたが、最近になって、人材が立て続けに辞めたので、はてブなどで不安の声もちらほら聞こえるようです。

はてな最速化計画

はてなに入社しました - 最速転職研究会

新人のid:malaです。

しかし、ここに来て、大型新人が入社する展開になりました。しかも、はてなと全く別の考えを持っているところが、波乱含みの展開を予想させます。

最速インターフェース研究会 :: つまらなくて役に立つ物を作るということ

世の中こんなにバグだらけなのに、バグほったらかしでゲーム作ってる場合じゃねえだろ、と思う。

面白くなければ意味がないとかいう人がいるけど、それって結局「大衆ウケしないと意味ない」ってのとほぼ同義だろ。

ところが、はてなの場合は、ゲームではないですが「大衆ウケしない面白さ」を追求しています。個人的には好きなのですが、面白くて役に立たないものをよく作ります。例えば、はてラボにあるような実験的なサービスは、かりにそれを新規に100個作ったとしても、ユーザのコアな1%が100回ネタにする*1形になりそうです。

それ自体は悪くないのですが、サービスが重いというのはほとんどの人に影響があり、サーバが落ちていたら100%の人が見られません。だから、一ユーザとして、はてダやはてブなどが最速化する展開に期待するので、はてなの誰かエライ人は、「つまらなくて役に立つ」仕事を最速の人に割り振って欲しいと願っています。

俺はつまんなくて役に立つ物を作るよ。そうありたい。

最速の人は技術者として語っているので、単なるユーザの私とは視点が違いますが、はてなはサービスをリリースしたスタッフや、それを毎日ヲチしているコアユーザが面白がるところがあります(しかも、水を差すと「褒めろ」と梅田氏に怒られてしまう)。しかし、サービス自体が面白くならなくても、サービスを使うユーザが面白く使えればいい、という考え方もあり、そういうユーザ側の視点がはてなは弱いと思うので、今後の展開に期待します。

*1:はてなハイク」は新サービスの中では成功した部類だろうが、アクセス的には1%(Alexa)程度