次世代同人インディーズとしての「アンディー・メンテ」

第二回講談社BOX新人賞"流水大賞"、選考結果を発表致します。

優秀賞 『エレGY』泉和良

http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/award.html

同人サークル「アンディー・メンテ」(以下AM)は、10年以上活動し、フリーゲームを100本以上公開している、隠れた人気サークルだ。代表作は「アールエス」(以下RS)。制作者が講談社BOXの「流水大賞」に選ばれ、今後の活動に期待できる。

先に短所を挙げてしまうと、絵が非常に粗いのが目立つ。ひぐらしも立ち絵への指摘が多かったが、商業作品のように流麗ではないものの、丁寧に作っていたのに対して、もっと雑だ。やや粗製濫造ぎみである。

しかも、システムが不親切で、説明するドキュメントも特にない。何をやっていいか分からないという理由で、テックウィンの賞を逃したことがあるらしいが、頷ける。昔のファミコンのように、不条理な詰まり方もたまにある。

しかしでは長所は何かというと、やはりファミコンのように、テンポが軽いことにある。だから、商業大作ゲームと比較してはいけない。高級レストランと駄菓子屋のように、別の土俵で見るべきだろう。

実際にやってみると意外と熱中する。クリック連打系のテンポの良さと、アイテム収集系のやり込みは相性が良いのだろう。パラメータの意味が分からないとか不親切で詰まる問題があるが、とりあえず攻略系のファンサイトを検索すればある程度は解消する。

また、ゲーム進行中に謎の多いストーリーが断片的に提示されるのが特徴的だが、これも全体の性格から考えて非常に成功している形式だと思う。それから、音楽がシンプルだが繰り返し聞いていて飽きない。地味に面白いのには、こういう面が影響しているだろう。