萌魔導士アキバトロン(18)

すると、白人形がびくびく痙攣した。射撃音がする。誰かがこいつの身体を後ろから撃つ。サブマシンガンを構えたLiloだった。俺に当たったらどうすると志朗はほんの一瞬思ったが、機械だから射撃も正確だと即座に考え直し、その場から動かない。撃たれた続けた白人形たちは床の染みになってすぐ消えた。もし助けてくれなかったらどうなっていたのだろう。
「実銃……なのか?」
「夢の中では意味をなさない質問です、志朗」
「死なないよな? 撃たれたり、あいつらにやられても」
「直接は死にませんが、精神的機能障害が残ることはあります」
「……」
「それが原因で自殺する可能性もあり、結果的に死ぬ確率はゼロではない」
「なんてこった」
夢なら絶対安全だろうと思い込んでいた。死ぬこともあるんだ。甘かった。もちろん自殺云々も単なる思い込みにすぎないかもしれない。そもそも彼女たちの言動も脳内の出来事かもしれない。でも今の状態ではそれを判断できず、どうしようもない。後で馬鹿げた妄想だったと笑うときが来るかもしれないが、それは結果論で、いまこの状態では必死になるしかない。夢の中でも安息の時は訪れないのか。


   (続)