可能世界の物語装置
断片的な記述を積み重ねることにより参加者自身でひとつの神話体系を作り上げる企画です。
「ゆらぎの神話」は興味深い試みです。「オープンソース世界観」というか、「folksonomy」やWikiのようなweb2.0の動きとも繋がっていくかもしれません。コミュニケーションによって複数の物語が接続されるシステムは、TRPGやTCGのようなものが昔からありましたが、MMORPGのようにネットワークによって、より直接的に具体化することができます。大雑把には下のような図式を想定しています。ネットによってパワーアップかつ先祖帰りするような感じでしょう。「Folksonomy」は物語ではないですが、うまい言葉が見つからないですね。
TRPG→(CPU)RPG→MMORPG
Folk-lore→(Modern)novel→Folksonomy
ひとつの大元から派生した異なる複数のエピソードが、互いに矛盾しつつも並立する
『ひぐらし』まで含まれるような、（一部の）ノベルゲームが追求している並列世界と同じ流れですね。しかも同人の二次創作も。メディアミックスも。SSやAAやFLASHも。要するに作家と作品の一対一対応という近代的な原則を破ったわけですが、それは現実と虚構の一対一対応も破っているわけで、色々面白そうな構図です。まあ要するに、一人で作ったり見たりする代わりに、みんなで作ったり見たりするだけのことではあります。ただ、「祭り」というのはハレですから、それは（集合的）無意識で物語を紡ぐということでもあります。
