要約版・無学歴、無職歴、無実力のニートが年収500万円の正社員になる方法

まえがき

以下の文章は、
分裂勘違い君劇場 - 無学歴、無職歴、無実力のニートが年収500万円の正社員になる方法
というはてブ人気の記事をインスパイアして、要約したものです。
はあちゅう主義のニート批判がきわめて底が浅い物であるのに対して、
この記事は知識産業の現場に即した、深い洞察があります。ただし、
文章が長いと感じたので、勝手に半分の長さに要約してみました。
現場の息遣いが犠牲になりましたが、コンパクト(約4000字)です。


これもはてブ八百長ゲームを喰い破る
ダンピング・議事録とりのつもりですが、
(少ない字数で不当に安売りする)
あまり公正な引用ではないので、
もし問題があれば、関係者の方がコメント欄やはてブ
「告訴するぞ」とDisってくれれば、削除します。

ニートが勝てない八百長ゲーム

無学歴、無職歴、無実力のニート
年収500万円の正社員になる方法とは、
正攻法では絶対にニートが勝てない
八百長ゲーム
のルールを食い破って
勝利を強奪する戦略=ダンピングである。


ニートの場合、正面玄関から企業に就職面接を受けにいっても、
この空白期間はなに?」とか聞かれて撃沈するだけ。時間の無駄。
職歴の弱点を無効化するために、ダンピングもどきの反則技を使う。
ダンピングとは、将来の利権(市場の独占)を狙う不当な安売りだ。


ただし、企業は、金をもらってもニートは雇わない
そのニートに仕事を教えたりマネージメントしたりする
コストを考えると、ただ働きをしてくれても、大損するから。


企業がニートに支払うコストが小さく、
ニートでも成果をだしやすい職種は、
たいていが、単なる単純作業で、
そんな仕事をしていてもスキルの蓄積がなく、
正社員や面白い仕事には絶対ありつけない


そこで、ニートでも成果のだせる
簡単な仕事で、創意工夫の余地があり、
累積的に実力をつけられて、成果を増大できる
仕事を足掛かりにすればいい。それは、
ケータイやパソコンのWebサイトの企画系の運用業務だ。

Webサイト企画系運用業務の概説

一般にWebサイトの運用は、2種類の担当がいる。
技術系の運用担当と企画系の運用担当である。
技術系が担当する、Webサーバの運用業務は、
スキルが必要で、ニートは手をだせない


だから、狙うのは企画系なのだ。
企画系の運用担当には、
プロデューサー、ディレクター、デザイナーがいる。


プロデューサーは、プロジェクトの予算とか、収支計画とか、
交渉だとか、サイトのコンセプトだとかターゲットユーザだとか、
収益モデルだとか、プロジェクトのフレームワークに関する仕事をする。


ディレクターは、いわば映画監督で、具体的な、Webページ構成、
タイトル、文章、データベース、画像やFlashムービー、
それらのデザイナーへの注文、という計画をたて、実行する人。


ディレクターの下には、アシスタントディレクターがつく。
各デザイナーと、細かな打ち合わせを繰り返し、
デザインの細部を決めたり、
デザイナーが作るデザインテンプレートHTMLに、
実際に文章を埋め込む作業をする。
ディレクター兼企画制作担当というところ。


プロデューサーの仕事を手伝っても、ニートは足手まといになる。
専門スキルがないと、デザインも手伝えない。
高い企画スキルが必要なディレクターの仕事もできない。

ニートでも手伝える作業とは

ディレクターやアシスタントディレクターの
企画制作作業が、唯一、ニート
手伝える作業が含まれる職種なのだ。


延々と更新されるWebサイトを日々改良し、、
画像の差し替え、HTMLの修正、リンクの張り替え、
説明文やヘルプを書き直したり、誤字脱字を直したり、
ブラウザごとの表示のズレを直したり、ズレをしらみ潰しに調べたり、
ユーザからの問い合わせに答えたり、その不満をリスト化するとか。


情報量が多く、技術系を含め連携して動くので、
大量の間接ドキュメントが発生し、
意思決定の基礎資料の準備に追われる。
たとえば、ユーザリクエストをエクセルシートにまとめたり、
広告媒体への露出とアクセスの伸びの連動グラフから、
基礎レポートを作ったり、それらと予算計画の連動とか、
チームを組んで、戦略的かつ計画的に仕事をするための、
たくさんの内部ドキュメントが必要。


さらにサイトのアクセスを伸ばしたり、
有料会員数を増やしたり、客単価を伸ばすために、
どんどん仕事を増やしていく。
忙殺されたディレクターやアシスタントディレクターは、
自分の仕事の中から、単純化、ルーチン化できる仕事を切り出し、
単価の安いアルバイトちゃんにやって貰う。
彼らは忙しいので、それをいつも真剣に考えている。

正社員に登用されるバイトちゃんとは

ところが、この単純作業が、工夫の余地のあることが、とても多い。
だから、企業によっては、もとは時給1000円だったバイトちゃんが、
難易度の高い仕事を振られるようになり、一年もたたないうちに、
年収400万のアシスタントディレクターになるケースも珍しくない。


バイトちゃんのはじめうちの仕事は、画像の差し替えや、
指示書や、プリントアウトの赤入れのとおりに、HTMLを更新する作業。
簡単な作業だが、おぼえることや考えることは多い。
加えて、アクセスの集計とか、問い合わせの集計とか、雑用がくる。


多くのバイトちゃんは、いつまでもバイトちゃんのままか、
使えないバイトちゃんとみなされて、切り捨てられる。
何人かに一人の、正社員に登用されるバイトちゃんは、
ボランティア精神旺盛な、お人好しな感じのバイトちゃんが多い。


死にそうに忙しいディレクターやアシスタントディレクターに同情して、
自分でもできそうな簡単な作業を手伝ってあげようとするんだけど、
企画制作作業って、単純そうに見えて、思考とセンスが要求される。
それどころか、単に足手まといにならないように気を使うだけでも、
かなりの勉強が必要だ。たとえば、単なるサイト更新作業の指示でも、
必要な前提知識は、可能な限り事前に勉強しておかないと、
ディレクターたちに、何度も同じことを説明させることになる。


Webサイトの企画制作作業に必要な知識は、凄まじく多い。HTML・JavaScriptFlash
エンジニアとのやりとりで必要なWebサーバの基本知識・リレーショナルデータベース、
エンジニアやディレクターの発言に出てくる、SNSSBM・コンテンツ・オーサリングツールなど
流行は一通り大まかに理解する必要がある。エクセル・ワードの知識も当然必要だ。

まずは議事録とりを目指す

仕事時間中に、予算を食いつぶして、勉強をやるなんて、非常識だ。
必然的に、夜だの休日だのを使って、徹底的に勉強することになる。
加えて、誰もがいやがる単純作業の中で、とても難易度が高く、
しかし、短期間に一気に実力が向上するのが、議事録とりだ。



たとえば、必ずミーティングの議事録をとって、
それを、メーリングリストや、共有フォルダや、
グループウェアに入れるなりしなきゃならない。
そこで決まったことを、連携して動くために、
関係者にきちんと知らせなければならない。


たとえば、プロジェクトの運営会議だったら、
「だれが、いつまでに、なにをやるのか」を正確に記録する。
部会なら、今後の運営方針、仕様についての会議なら、
どの部分をどのように修正し、だれが、いつまでにやるのか。
ブレストだったら、発言はすべて、そのまま文字にしなきゃならない。
意思決定系の会議だと、間違いがあるようだと、トラブルのもとだ。
とくに、その会議に出ていない人は、議事録だけが頼りだ。
企画内容やサイト構成などを明確に把握していないと難しい。


議事録を取れるようにするには、
あらかじめ、プロジェクト関係者の役割、
仕事内容、業務の流れを理解しておかなきゃならない。
プロジェクトの成果目標やマイルストーンも理解しなきゃならない。
プロジェクトシートの収支計画も、話の前提になるから目を通す。
関係者の意図と利害関係を押さえておかないと、勘違いする。


議事録とりにかこつけて、会議のあと、関係者に、
分からなかったところを、教えてもらうこともできる。
もちろん最初のうちは、会議をすべてICレコーダーで録音し、
自宅に持ち帰って再生して聴きながら、議事録を補足していく。
ニートは、そんな作業でも、仕事時間内ではできない。
だから、仕事を家に持ち帰って、十分に時間をかけて、
ハイクオリティーの仕事をすればいい。
勉強し、調べ、創意工夫すれば、実力がつく。

時給は、ダンピング

実質的な時給は、ダンピングもどきな300円とか200円になる。
しかし、職位が低いときは、給料単価を気にすると、逆に損する。
職位が低い間は、「会社からもらっている最大の報酬はスキル」で、
「もらっている給料なんて、倍になろうと半分になろうと、誤差」。


スキルさえゲットすれば、職位を上げられるし、
別の会社に転職しても、面白い仕事と給料をゲットできる。
「給料少ないのに、そんなに必死で働いてもしょうがない」
というバイトちゃんを見るたびに「こいつら激しく頭悪いな」。
職位の低い間は、サービス残業は、会社にたいするよりも、
自身のスキル獲得というサービスになるから、やるほど得。

ニートの下克上

さらに、同じ仕事の質と量なら、会社は、安い人間にやらせる。
だから、時給200円で、ハイクオリティーの仕事をしつづければ、
どんどん良質の、クリエイティブな仕事が回ってくる。
会社は、そのうちに、逃げられるリスクを意識して、
正社員に昇格させ、年収を引き上げ、部下を持たせて〜となる。
それをしないようなら、スキルを武器に、転職すればいいだけ。


一方で、正社員の場合、ハイクオリティーな仕事をして当たり前で、
むしろ、仕事の質が落ちたら、減給されたり、最悪、職位を下げられる。
正社員に昇格した元ニートは、実力がついたら、
隙のあるプロジェクトを乗っ取ったり、
自分で企画案を考えて、会社側にプレゼンし、
プロジェクトリーダーになってしまえばいい。
そこまで来たらあとは、自分の好きな職種を目指せばいい。


混乱しているプロジェクトを見つけたら、
すかさず混乱を収拾して、乗っ取ってしまうのがいい。
プロジェクトでも、株でも、底値買いがいちばんおいしい
混乱して希望のない状態こそつけこめる。
まだ未熟な、ベンチャー会社が狙い目だ。


業務フローが見えていれば、
デザイナーやエンジニアの要求が把握できるので、
自宅でこつこつ勉強しながら、
技術やデザインの仕事も手伝いながら、
自分の好みの分野へ進出していけばいい。

まとめ

仕事の成果の源泉は「知識」で、
仕事時間が、スキル獲得に費やされるが、
知識は、個人に所属する。
会社は、個人にお金を払って、
個人の知識資産を増やす構造。


つまり、ニートダンピングとは、
会社の知識資産の合法的横領
Webサイトの構築・運用のような、
知識産業における企業組織が
かかえる本質的な脆弱性
セキュリティーホールから侵入する手口。

ダンピング 共通点 相違点
企業 利権(独占) 不公正
ニート 利権(スキル) 公正
不公正の構造 持つ者 持たざる者
資本主義 資本家 労働者
知識社会 ギーク ニート