ゲーム制作サービス「KEROCKETS(ケロケッツ)」紹介

概要

「KEROCKETS」はWEB上(ブラウザ上)でゲームやコンテンツを作り、それをユーザー同士で共有するWEBサービスです。

 2012年4月11日、株式会社ワイドテックは、ゲーム制作用のWebサービス「KEROCKETS(ケロケッツ)」をオープンしました。運営からプレスリリースを頂いたのでご紹介します。

 同サービスでユーザは、Web上でゲームを作成したり、プレイしたりできます。現時点では、アクションゲームやシューティングゲームアドベンチャーゲームなどを作れるようです。また、素材の共有やSNSなど、交流するための機能も備えているようです。なお、同サービスは無料で利用できます。

 Web上でゲームを制作するサービスには、「Rmake」や「ニコゲー」(サービス終了)などがすでにあります。以前『新文学』で「まぜまぜのべる」の運営代表にお話をうかがったこともあり、CGMゲームの分野に以前から注目していました。こうしたサービスが増えることで活性化に期待します。

 サービスの詳細は、下記の通りです。

詳細

2012年4月11日
KEROCKETS運営事務局

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誰もが簡単にゲームを作ることができるWEBサービス
「KEROCKETS(ケロケッツ)」4月11日 12:00よりオープン

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「KEROCKETS」はWEB上(ブラウザ上)でゲームやコンテンツを作り、
それをユーザー同士で共有するWEBサービスです。
ユーザーはゲームはもちろん、それにつかう写真やイラストの画像、BGMやSEとして使う音楽ファイルを共有できます。
ユーザーが制作した素材をつかって、
様々なゲームをつくり皆で共有して楽しむ"ゲームCGM"(Consumer Generated Media)それが「KEROCKETS」です!<ゲームをつくろう!>
「KEROCKETS」でゲームを作るのは非常に簡単です。
国内トップレベルのFlashActionScriptクリエイターが開発した
スーパーウェア「ケロウェア」の直感的でシンプルなUIで簡単にゲーム構築が可能です。
ユーザーのアイデア次第で様々なタイプのゲームを制作でき、
簡単に公開しプレイしていただけます。
また、すべてがブラウザ上で完結しているため
ダウンロードやインストールなどの面倒な操作も必要ありません。<ゲームで遊ぼう!>
「KEROCKETS」は、ゲームCGMです。
したがってユーザーが制作したゲームが常にアップされ、日々増えていきます。
検索やタグ、ランキング、ユーザーのアトリエなどからゲームを見つけたら即プレイ!
(ゲームプレイのみであれば、会員登録の必要はありません)
プレイしたら、"いいかもボタン"で評価したり、コメントに感想を書き込んだりできます。
またストック(ブックマーク)をしたりゲームランキングに登録して競ったりと、様々な遊びを提供しています。<コミュニケーションしよう!>
「KEROCKETS」では、ゲームを作ってプレイすることが中心ですが、
コミュニケーションも大事な要素です。
ゲームや素材コメントはもちろんですが、
お気に入りのクリエイターをフォローしたり、
メッセージ(サイト内メール)などのSNSの基本機能も実装され、
ゲームを主役にし、作品・作者への好意が自然に伝わるコミュニケーション機能が発達しているのが特徴です。<様々な機能も!>
「KEROCKETS」には、他にも様々な機能が用意されてます。
例えば「リスト」機能では、自分で制作したゲームをシリーズでリスト化したり、
クリエイターの作品ごとにリスト化、お勧めシューティング素材セット等々の
リストを作って公開することができます。
「KEROCKETS」は、投稿されたゲームや素材を通じての
コミュニケーションがテーマであるため、
ゲーム制作や素材投稿をしないユーザーも
受け手としてコミュニケーションに参加できるのはもちろんのこと、
リスト制作などでアピールすることも可能です。
また、SNSの主流であるフィード機能では、
フォローしたクリエイターの最新作をリアルタイムで時系列に確認できたりもします。



1.すべての表現者が自由にコンテンツを発表できる場を守ります!
2.クリエイターとプレイヤーの境界を無くします。また、シンプルで使いやすいケロウェア(ゲーム制作ツール)を提供することで、誰もがゲーム制作のキッカケを持てるようにします!
3.ユーザーの皆さんと対等の立場で相互にコミュニケーションをすることにより創り上げられ、向上させて行く場としてKEROCKETSを捉えます!
4.ユーザーの皆さんの毎日が楽しく幸せな日々となるサービスを提供していきます!

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「『明星 究麺』試食会」イベントレポート

概要

 明星食品は、2012年3月27日から29日にかけ、東京国際フォーラム内「ネオ屋台村」にて、『明星 究麺(きわめん)』シリーズの試食会を開催します。その初日・27日に、実際に参加して試食してきましたので、会場の模様をお伝えしましょう。

イベントの様子


▲試食に並ぶ人たち


▲準備するスタッフたち

 会場は東京・JR有楽町駅のすぐ近く。広場にキッチンカーを出し、試食を振る舞っていました。

試食レビュー


▲「コク醤油」味のパッケージ


▲「コク醤油」味を会場で試食

 そこでさっそく私も、『明星 究麺』シリーズのひとつ、「コク醤油」味を試食しました。

 まずメンは、「感動食感」というキャッチコピーにあるように、ノンフライ麺のため生麺の食感があります。さすがに、スナック的なフライ麺とは歯ごたえが全く違います。中太麺でうどんやきしめんに近いですが、もちもちしていてモチをイメージしました。

 スープは、鶏のダシが効いていて飲みごたえがあり、最後まで飲みほしました。基本は動物系のスープですが、野菜のダシも少し入っているため、まろやかでコクがあります。このとても濃い味のスープに、カップラーメンとは思えない「本格ラーメン感」を感じました。

 そして具のチャーシュー。噛むと「ジュワッ」と肉の味が広がります。全体の感想としては、「和」の雰囲気を感じました。濃厚な味わいの和風しょうゆラーメンです。店の味に近い本格的なラーメンを、安く手軽に味わえるというのは良いと思います。

告知


▲会場ではPVを放映

 さて、きょうから、あす28日、29日までの三日間、この実食イベントは開催されます。お近くを通った際は、ぜひお立ち寄りください。

 また、あす28日から、小泉孝太郎さんが登場する新CMが放映されます。会場のPVでも、小泉孝太郎さんがラーメンを食べる姿や、「もうひとつこうたろう」といったキャッチコピーが流れていました。試食会が過ぎた後も、ご興味のある方はぜひ、お近くのお店やネット通販(下記)などで、お買い求めください。

  • 試食メニュー
    • 27日:「コク醤油」味
    • 28日:「コク醤油」「背脂豚骨醤油」
    • 29日:「ちゃんぽん」


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「Evernote」で挫折しない、普通の人のための使い方

「Evernote」日本公式サイト

概要

 登録者が1200万人を超え、そのうち約3割が日本ユーザ*1だという人気沸騰の情報管理サービス「Evernote」(エバーノート)。しかし、とても多機能で便利な反面、挫折者が多いサービスだと言われています。そこで、普通の人が挫折しない利用法を考えましょう。

紹介

PIECE of PEACE TOKYO レゴで作った世界遺産展Part2 ウェストミンスター宮殿_03
(By ajari)

 エバーノートを、さいきん私も使いはじめました。なぜ使っているかというと、「情報の箱庭を作れる」ところに魅力を感じるからです。自分好みにカスタマイズできる自由度の高さがあります。私は箱庭萌えですから、すぐハマりました。

 アナログでたとえれば、「書斎」の魅力でしょうか。そこには「プライベートな空間にひたる享楽」があります。対象がなんであれ、理想の自己を映した縮図に見えるとき、人は享楽を感じます。多機能で便利なソフト(パッケージ)は他にもありますが、書斎感がありません。たとえば、マイクロソフトの「オフィス(One Note)」は、書斎というより「事務所」です。

 それでは具体的に、エバーノートで何ができるのしょうか。基本はテキストベースです。「ノート」という単位でリッチテキストを作成し、スケジュールでもアイディアメモでも、自分に関する情報を書き込みます。そして、分類するためのタグを付け、「ノートブック」というフォルダに格納していきます。しかしもちろん、それだけではありません。

 ローカルPCのクライアント、サービスのアカウント、メール、スマートフォンと入力手段が豊富で、外出時にも書き込めます。画像やPDFを閲覧できたり、エクスポートできたり、ウェブで公開できたりと、出力手段も多彩です。また、全文検索をはじめ、タグの絞り込みや期間指定など、検索手段が多いので取り出しやすい。そして、ローカルとサーバで同期して、自動バックアップが取れます。

 そのように記録すると何が良いかというと、エバーノートが「第二の脳」と呼ばれるように、「記憶しなくてはいけないプレッシャー」から解放してくれます。忘れてもいいというのは、想像以上にストレスフリーなんです。

 ほかにも、日本法人があるくらいなので、日本語で利用できるのはもちろんのこと、日本語のドキュメントも充実しています。また、解説書が何十冊も出ています。さらに、「ツイエバ」や「hatebte」など、他サービスと連携できる外部サービスが出そろっています。このように利用環境が整備されているため、海外のサービスでも始めるハードルは低くなっています。

挫折

Evernoteに「挫折」するのはなぜなのか - nanapi Web

Evernote」(エバーノート)は、「挫折者」が多いサービスだ。

Evernoteはなぜ「挫折者」を生むのだろうか。(……)記者が最も納得したのが、「理想と現実のギャップが大きい」という意見だった。

 しかし、エバーノートで「挫折」する人も少なくないようです。そこで、エバーノートにおける「理想と現実のギャップ」、そして挫折の克服法について考えます。

 私がエバーノートを使ってみたところ、「すべてを記憶する」だとか「情報を一元化する」といったスローガンに反して、じつはストックではなくフロー向きだと感じました。「第二の脳」というのも、わりとキャッシュ的に捉えています。

 つまり、エバーノートの理想はストック指向でも、現実はフロー向きで、その解離が挫折者を生んでいると考えます。比較すれば、たとえば「ツイッター」には、こうした解離が相対的に少ないと思います。140万字の小説を書くことを、運営側も利用側も想定していないですから。

 なぜ、エバーノートはストックよりフロー向きなのでしょうか。それは、スペシャリストではなくジェネラリストだからです。大量で専門的な仕事は、スペシャリストに任せたほうがはかどるのです。エバーノートだけでなんでもやろうとすると、「部下に任せられなくて、仕事を抱えすぎて忙しい中間管理職」みたいになります。管理するのが仕事なのに、自分が管理できなくなります。

 より具体的に言います。エバーノートは多機能ではありますが、個々の機能は高性能ではありません。どの機能ひとつとっても、専用ソフトのほうが優れています。たとえば、テキストを書くという基本的な機能からして、テキストエディタのほうが書きやすい。リッチテキストより、プレーンテキストで書きたいから。ToDoリストにしても、GTDツールのほうが、リマインダーがあったりして本格的です。

 ほかにも、PDFならPDFビューア、画像なら画像ビューア、音声なら再生プレイヤー、検索ならGREP検索ソフト、パスワード管理なら管理ソフト、同期や共有ならストレージサービス……と、あらゆる分野で専用ソフトのほうが性能的に勝ります。しかし、エバーノートは参謀的な役割なので、一騎打ちで勝つ必要はありません。

克服

セブン-イレブン岐阜三田洞店 7-ELEVEN in Gifu
(By Yuya Tamai)

 分かりやすいよう、イメージで説明します。エバーノートがフロー向きだと言ったのは、たとえれば「コンビニエンスストア」的に使えるということです。コンビニは「万能」ではなくても「便利」なのです。便利さとは、すぐに必要なものがひと通りそろう手軽さです。品ぞろえで、書店や文房具店などの専門店に勝つ必要などないのです。

 あるいは、マンガ喫茶にレストランなみの食事や、ホテルなみの宿泊施設は必要ないのです。それを目指すと、かえって中途半端に高くて使いづらいサービスになってしまいます。美味しいところだけつまんで、良いとこ取りで勝負すればいいのです。


Man cave office
(By Yasuhiko Ito)

 私が目指すのは、データの量は少なくてもよく整理され、重要なものがすぐ使える「小さな書斎」なのです。本棚に収まらない本は床に積まずに、部屋から追い出しましょう。書斎=エバーノートと、書庫=はてなブックマークや応接間=ツイッターは、別でもおかしくありません。書斎の快適さを守るには、整理と使い分けが必要です。

 というと面倒そうですが、逆に言えば書斎だけキレイにしておけば、家=PC全体は多少散らかっていても大丈夫です。よく使うものが集められているからです。「集中と選択」です。


PhoTones Works #253
(By PhoTones_TAKUMA)

 書斎として使うには、とりあえずでなんでも放り込んではいけません。玄関から来た荷物をそのまま入れていくと、「大きな物置」になってしまいます。物置を書斎として使おうとすると、数多くの目印(ノートブック、タグ)が必要になります。そこには、ささやかな箱庭づくりで遊ぶ余裕はもはやなく、棚おろしやピッキングのような「作業」になってしまいます。だから、挫折しやすいのです。

 だから私は、ToDoリストなどのGTDツールや、アイディアメモ、ショートカットキー一覧、資料にするWebリンク集、PDF形式のマニュアル、壁紙的な観賞用の画像(この辺が書斎的な遊び)など、よく見るものに絞り込んで置いています。複数のソフトやサービスでも、似たようなことはできるでしょうが、エバーノートで済ませたほうが手軽です。

 挫折しないために必要なのは、ノウハウではありません。ビジョンなのです。エバーノートはコンビニだと思って使えばたいへん便利です。逆に、「大規模ショッピングセンター」をひとりで構築しようとするのは、無理とは言いませんが大変そうです。足りないものは、専門店=専用ソフトでそろえればいいでしょう。

大きな管理 VS 小さな管理


  • 大きな管理
    • 最大幸福を指向(すべてを入れる)
    • 連携サービスで入力を自動化する
    • データを削除せず、増えるに任せる
  • 小さな管理
    • 最小不幸を指向(必ず取り出せる)
    • 手動で厳選して入力する
    • 不要なデータはつねに消す

 たとえだけでなく理論化しますと、「大きな管理」に対する「小さな管理」という概念を提唱しているわけです。大きな管理が一元的な環境に包摂する「コロニー」を指向するのに対して、小さな管理は多元的な環境を横断する「コモン」を指向します。

 大きな管理から見ていきます。はてブのホットエントリに入ったエバーノートの先行記事は、どれもライフログ的用法を勧めるので、削除することを想定していません。

 すると、データが際限なく増えるため、ノートブックやタグの分類が細分化していくか、未分類で溜まって取り出しにくくなっていきます。最初は「ストレスフリー」の環境づくりや時間短縮が目的だったはずなのに、動作が重くなることもあって利用に時間が掛かります。

 多様な連携サービスが使えるのはいいことですが、必須ではありません。自動化で省けるのは入力の手間だけです。あとでデータを分類したり検索するコストはむしろ増えます。じつは、「自動化すると手間が増える」という逆説的な罠が潜んでいたのです。

 対する、小さな管理を実現するのに、難しいことはありません。使いこなせるデータ数に制限すれば、肥大化しないから細分化もしません。入力の時点で厳選して入れます。そして、ノート数が一定の数を超えたら、不要なものから消していくだけです。入力時にデータをコピーで入れると、元が他に残っているので、心理的に消しやすいです。

 より具体的には、使用しなくなったノートは、「Inbox」に対する「Outbox」というノートブックに入れて、作成日か更新日が古い順に、確認して消していきます。Inboxに入れたぶんだけOutboxで消して、ノート数を一定に保ちます。コンビニの棚に賞味期限切れの食品を置かないようなものです。

 小さな管理では、データの量より質(S/N比)を重視します。大量のデータを扱うのは、専門のソフトに任せます。エバーノートは「赤魔道士」なので、育てすぎないほうが、かえって使いやすいです。そして、一元化しなくても、集約化で管理できます。たとえばエバーノートに、Webサイトのサイトマップのように、フォルダの一覧(ショートカット)を書いておけば困りません。

 ノートは増やすより減らすほうが難しい。なぜなら、削除は自動化できないからです。かりに自動化すると、重要な情報も消してしまいます。だから、人間が消すしかありませんが、せっかく溜まったデータを削除するのには抵抗があります。もったいないと感じるから、心理的に難しいのです。有料で使っているなら、容量を使い切りたいだろうし。

 この増加と減少の非対称性があるため、データが増えていくと、使う側の人間がついていけずに挫折するのです。そもそも、無限に増やすことは、どだい不可能なんです。「10万件」という仕様の上限が待ちかまえているからです*2

 データは後からでも増やせるので、まだデータが増えていない後発の利用者は有利です。物置を整理して書斎に使うのは大変ですが、書斎を物置化するのは容易です。だから、これからエバーノートを使うなら、小さい管理から入ることをオススメします。

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ブログタイトル変更と、プライバシーポリシー提示のお知らせ

概要

 2012年3月19日より、本ブログのタイトルを、「萌え理論Blog」から、「萌え理論ブログ」に変更します。理由は、「Blog」より「ブログ」のほうが、閲覧者の方にとって、1.読みやすく、2.覚えやすく、3.検索しやすい、というものです。細かい変更で恐縮です。

 また、プライバシーポリシーを設置し、トップページや個別ページの最下部から、リンクで飛べるようにしています。個人ブログであるところは少ないと思いますが、閲覧者の方のセキュリティに配慮して、提示するようにしました。

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そもそも「はてブボタン」の何が問題だったのか、普通の人に分かる言葉で説明する

概要

そもそも、何が問題だったのか?

 しかし、そもそも何が問題だったのでしょうか? セキュリティ関連の専門家である高木浩光氏がコメントしているので、一部を引用します。

三者cookieを用いたアドネットワークがオプトアウト方式で許容されたのは、当該アドネットワークに参加する(広告を貼る)Webサイトが、その事実を利用者にプライバシーポリシーで示してオプトアウト手段を案内していることが要件。その前提がないと全てのURLを盗むスパイウェアと等価。

https://twitter.com/#!/HiromitsuTakagi/status/177935707602550785

特に悪質なのは、仕掛けなしの当該ボタンが広範に普及した頃合いを見計らって、後からトラッキングの仕掛けを注入してきたこと。まさに騙し討ち。悪質極まりない。 .js 埋め込みパーツが突如マルウェア化する危険性を体現している。

https://twitter.com/#!/HiromitsuTakagi/status/178146151344783360

 これは、後に近藤社長が、見解で同じ話題に触れました。両者の認識が共通しています。というより、批判と釈明という感じですが。

 当初はこうした行動情報の提供を行わない仕組みで提供開始したボタンを、途中から仕様を変更した点や、仕様変更の際に、事前に十分な告知を行わなかった点も間違っていました。ウェブサイトの閲覧者が、はてなブックマークボタンが設置されたページを訪問した際に、行動情報を取得されないよう設定が簡単にできるオプトアウト機能を準備しなかった点も誤りでした。

http://hatena.g.hatena.ne.jp/hatena/20120313/1331629384

 よって、これが今回の最大の問題点だと考えます。しかし、ITやWebが人工的な環境のため、なぜそれが問題なのかということすら、専門家や技術者以外には、とても分かりにくい。私自身も、リサーチしたことで、認識を改めた部分がかなりありました。

 ネットでの反応を見るに、一般的なユーザとの間で、何が悪いかのイメージが食い違っています。そこで、図解と比喩を使って、分かりやすく説明しましょう。資料をあさっていて出遅れたので、すでに飽きられていて、読者の興味がなくなっているかもしれませんが……。

仕様の事後的変更の問題

はてなブックマークボタン」とは


▲上画像の赤枠部の青いボタンが「はてなブックマークボタン」

 まず、問題となった「はてなブックマークボタン」(以下、「はてブボタン」)を確認します。はてなが運営している、URLやコメントをアーカイブするためのWebサービスです。ニュースサイトなどで設置されるのを見たことがあるかと思います。冒頭の記事にあるように、すでに第三者への送信を中止しています。

 ちなみに、このブログにも設置している緑枠のボタンは、今回の件とは関係ありません。また、運営のコメントによると、アドオンやツールバーのブックマークボタンは、アクセスログのみで、その情報が第三者に提供されることはないとのことです。

クリティカルな問題はなにか


▲問題の中心は「事後問題」

 いろいろな論点はあるでしょうが、問題の重要度を整理します。最大の問題は「明示的な再同意を得ない、仕様の実質的な事後的変更と、規約の遡及的適用」(以下、「事後問題」)でしょう。問題色の濃さを示すと、個人的な主観が入っていますが、クロ、もしくは濃いグレーです。

 なぜ、それが最も問題なのかが、非常に分かりにくいと思いますが、追って説明します。ここではさしあたり、冒頭のようにセキュリティの専門家が指摘しているから、という説明に留めておきましょう。

 ソーシャルボタンでトラッキングする、というのは薄いグレーです。ソーシャルボタン本来の目的から、かけ離れている仕様ではあります。グーグル(+1)やフェイスブック(いいね!)のボタンのように、アクセスログのみ取得するならシロになります。

 なぜ、トラッキングよりアクセスログのほうが、セキュリティ的に問題が少ないのでしょうか。それは、前者が継続的な情報の取得で、後者が一時的なものだからです。つまり、アクセスは一回の接触ですが、トラッキングは一定のあいだ追跡されるのです。これは大ざっぱな話で、技術的な補足はたくさんありますが、本筋から脱線するので、細かいことは注に飛ばします*1

 はてなドメイン下でのサービスについてはシロになります。はてなだけでなく第三者のトラッキングも、プライバシーポリシーに記載されているので問題ありません*2。これはユーザの感覚に反すると思いますが、少なくとも制度上の問題はありません。

 ただし、ユーザがプライバシーを求めることが、間違っているというわけでもありません(そういう誘導も散見しますが)。ユーザにはサービスを選ぶ自由があります(他のメジャーサービスでもやっていますが)。セキュアな環境を自力で構築する道もあります(大変でしょうが)。行政に規制の強化を求めることもできます(それが望ましいとは限りませんが)。

 セキュリティはデリケートな問題で、発言する立場によって、バイアスが入りやすいので、慎重な言い方になっています。消費者と事業者との間で、自由と秩序のバランスを取る必要があります。しかし、一般的なセキュリティの議論が目的ではありません。一般的な行動情報の取り扱いの問題については、次回の記事にゆずりましょう。

どこで問題になったのか


はてなの外にあるサイトで問題となる

 別の視点で見ますと、はてなのプライバシーポリシーが適用されるサービスについては、この記事で問題にしません。はてブボタンを設置する外部サイトが舞台になります。

 こうして問題を少しずつ絞り込んでいきます。今回の問題に詳しい方には「いまさら感」があるかもしれません。また、そうでない方は「問題に対する重大感」のズレを感じるかと思います。しかし、ズレを埋めることが目的ですから、あえて前提や過程を飛ばさずに説明したいと思います。

本来の処理はなにか


▲本来必要な処理の通信は問題ない

 問題ない時点の動作も押さえておきます。たとえば、ブックマークするときには記録するため、はてなが用意したサーバと、ユーザのPC間で通信します。どんな実装なのかは知りませんが、たとえば記事のURLやタグを含めたコメントなどを、おそらくやり取りしているでしょう*3。また、ボタンを表示するときは、画像を呼んでいます。

 このレベルでの通信は、どんなサービスでも行なっていることですし、完全に正当な処理です。ふつうにWebサイトを見るだけでも、必ず通信しているのです。当たり前ですが、通信していなければ、そもそも見られません。それはたとえれば、手紙を出せば相手に届くとか、電話を掛ければ相手に聞こえるとか、そのレベルの話です。

問題が起きる境界


▲トラッキングや第三者送信そのものは問題ない

 それに加えて、今までのはてブボタンでは、販売契約を結んだ第三者(具体的には、マイクロアド社)へ、トラッキングした行動情報を送信していました。

 というと、「情報流出」的なイメージがあるかと思います。しかしじつは、プライバシーポリシーの提示と、オプトアウト版の提供、といった主な要件を満たせば、制度上は問題ありません*4

 問題ない、というのが直感に反すると思います。さしあたり、個人情報と行動情報は別で、行動情報だから認められている、とカンタンに説明しておきます。前者は個人が特定される情報で、「個人情報保護法」で保護されます。後者はそうではありません*5

 今回の件は、個人情報の漏洩が問題になっているのではありません。行動情報にもいろいろリスクはあるのですが、少なくとも、個人情報そのものが流出したと、問題視されているのではありません。この区別は確認しておきます。

 また、「ソーシャルボタンでトラッキングすること」の是非はあると思いますが、ここでそれを議論するつもりはありません。コマ送りで少しずつズラして、どこの時点で問題が発生するのか、普通の人に分かるように確認することが目的です。そして、次が最も問題です。

問題となる事後的な仕様変更


送信先の第三者の存在がユーザから隠されている

 冒頭の指摘にあったように、今回の件では、事後的な仕様変更をしていて、このことが問題なのです。パーツを配布して広まってから、「javascript」ファイルの動作を変えて、情報送信していたというのが大問題なのです

 なぜかといえば、情報を送信している事実が、ユーザから確認できないからです。それに、はてブボタンを設置している、外部サイトのプライバシーポリシーとも矛盾をきたしてしまいます。

 意図しない送信が行われるのだから、送信がどのような内容であれ、結果的にスパイウェア化してしまいます。個人情報の漏洩がなくても、「スパイウェア」と呼ばれるのは仕方ありません

 そして、外部サイトに配布するというのは、スパイウェアをバラまく、ということになってしまいます。外部サイトだから、はてなのアクセスを超えて情報を取得でき、そのことが収益性につながるのだと思いますが、大きな問題を抱えています。

 ここで、広くバラまいた後から、オプトアウト版を提供するのでは遅いのです。なぜなら、ユーザ側からは、どのサイトがオプトアウト版に変えたのか、ひとつひとつ判断することなど、現実的に不可能でしょう。ひとたび事後問題で汚染されると、すべてのはてブボタンが、信用できなくなってしまいます

 だから、近藤社長が、収益源のひとつを絶つことになっても、根本から送信を止める、という判断を下したことは支持します。もちろん、もともと問題が起きないことが望ましいし、すでに送信した情報の扱いなど、まだ課題も残っています。いろいろ批判はできますが、それでも送信を中止したこと自体は支持します。送信の中止なくして、信頼の回復はありえませんから。これは、たんにはてなだけの問題でなく、ほかのITサービスも含めた話です。

事後問題のたとえ話

スパイウェア

 さて、ここまで読んでも、まだボンヤリとしか、話が見えてこないかもしれません。そこで、ここから対話形式でたとえ話をして、さらに問題を分かりやすくしましょう。

 ――事後問題がいけないことは、なんとなく分かる。けど、どうしてそれが大問題なのか、いまいちピンと来ないな。なんだか、はぐらかされている気がする。情報の取得や、第三者への送信、いわゆる情報流出が最大の問題であって、あとはオマケみたいなものだと感じるんだけど? ようするに、スパイウェアを作っていたから、悪いんじゃないの?

 いや、事後の仕様変化、規約の遡及適用によって、スパイウェア「化」したのです。たとえ、通信内容そのものが無害であろうとも。

 ――言っていることの意味が、サッパリ分からない。何がどう違うの?

 ……これはたとえ話ですが、たとえば、フリーソフトフリーゲームを利用していて、とつぜん料金を請求したらダメですよね?

 ――そりゃもちろん、サギだと思うよ。事前に価格を表示しないと。「基本プレイ無料」だとか、途中からの有料化にしろ、ここからが無料で、ここからが有料と示して、選べる形でなければダメだろう。でも、今回の件で請求は関係ないよね。

 では、オフラインで動作するはずのソフトウェアが、ある日とつぜんパソコンの情報を収集して、送信し始めたらどうですか? それを収益にしているという。

 ――それは、スパイウェアそのものだよ。有害な通信をしているんだから。そんなソフトがアンチウィルスやアンチスパイ、ファイアーウォールに引っ掛かったら、危なくて使えないに決まっている。それが、今回の件と同じということかな? それってやっぱり、情報の流出が問題じゃないの?

 それならたとえば、ゲームで修正パッチを適用したら、情報を送信するように変わっていたらどうですか。その修正に関する告知は全くなくて。その通信内容が、ゲームのスコアだとか無害な情報なんだけど、結果的にゲームが面白くなり、売れて収益が増えるだとか。

 ――そんなの、ユーザからは通信内容が分からないのだから、スパイウェアとして扱われても仕様がないよ。そんな危なっかしいことでは、安心して使えない。かりに、提供側がイヤな理由があるのだとしても、コソコソせず正々堂々と告知しないと。

 ……それが、ここまで説明してきた「スパイウェア化」の問題です。

 ――なるほど……、そうか……!

 より正確に言うと、今回の件で言えば、はてなはゲームメーカの立場ではなく、各メーカに開発素材・部品を提供する、外注的な立場になります。ゲームメーカに相当するのは外部サイトです。はてなから知らされず、ユーザに仕様変更を告知できないため、自分のサイトが強制的にスパイウェア化させられます。結果的に、外部サイトは「加害者『化』の被害者」になってしまいました。*6

信用問題

 ――事後に変えると問題だということが、はっきり分かったよ。

 少なくとも、信用問題、企業倫理上の問題があると思います。これが個人レベルなら、そういうやり方が通るかもしれませんが、少なくとも法人のサービスであれば、問題視されるのは当然だと思います。これがもし上場企業なら、株主への責任も生じるし。ただ、直接に金銭的な被害が生じず、Webサービスが通信から切り離せないため、一般の人に分かりにくい形になっています。

 ――じゃあ、全く実害はなくて、純粋な信用問題だけだと言いたいの? べつに行動情報くらい気にしない、という人もいるけど。

 いや……、そこは微妙なところです。いろいろな問題が、潜在的に発生してしまいました。しかし、それらを断定することは難しいので、コメントを控えておきます。

 ――なんだか、思ったほど大したことないのに騒いでいた、という気もしてくる。……というか、批判の目をそらす工作をしようとするために、そう思わせているんじゃないの?

 いいえ。むしろ、事後問題が、思ったより大したことだったのです。これが妥当な比喩かどうかは分かりませんが、食品や建築などにたとえれば、「偽装問題」と言えるかもしれません。一般層へのこの問題提起が目的です。

 ――ああー。たしかに、毒ではなくても、偽装していたら問題になるよね。IT界の偽装問題だったんだ。

 通信が見えないものだから、分かりにくいけれど、信用という点では通じると思います。

問題の対策

 ――こういう問題に対して、専門知識がない普通の人は何もできないの?

 ユーザレベルの視点で言えば、プライバシーポリシーの提示と、オプトアウト(拒否の手段)の提供、という二点は確保される必要があります。そうした情報と選択の権利を求めることに、意味はあると思います。

 ――今回みたいな問題が起きないようなルールはないの?

 「JIAA(インターネット広告推進協議会)」のガイドラインがあります。はてな運営は、そのガイドラインを「遵守」していると説明していました。しかし、冒頭で紹介した高木氏は、抵触する可能性があると指摘しています。また、通るようなら抜け穴なので、ガイドライン自体が見直されるべきだ、とも主張しています。私もガイドラインをいちおう読みましたが、専門家に任せて、ここでは触れないことにします。

 ――ちょっと待てよ。じつは逆に、ルールやそれを変えるほうが間違っている、という可能性はないの?

 日本での話に直接は関係ないのですが、JIAAもガイドラインを作成するにあたり参考にしていた「FTC(米連邦取引委員会)」が、行動ターゲティング広告に関するガイドラインを示しています。そこで、プライバシーポリシーが遡及的に変更される、実質的な運用の変更が生じた場合は、再同意を得るべきだという原則を示しています。ガイドラインには、運用上の補足的な意見もあるのですが、脱線するので省きます。

 ――なんか、また分かりにくいな。

 ええと……、話がやや飛躍しますが、近代刑法に事後法の禁止があるので、普遍的な規則なのだと思います。要するに、後から変えられるルールには意味がないのです。

 ――ようは「後出しジャンケン」の禁止なんだな。

次回への予告的な問題提起

 ――後出しだとダメなことは分かった。そこまではいい。けど、逆に言えば、後出しでなければ通る、というのなら納得できない。ジャンケンとは違って、情報流出はそれ自体が有害なんじゃないの? それに、はてな以外のメジャーなサービスでも、すでに同じような手法が広まっているらしいね。そんなことでいいの?

 それは、説明するとまた長くなります。もし、読者の需要があるようなら、次の記事で解説する予定です。また、この記事に事実関係の誤認がありましたら、ご指摘ください。

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*1:たとえば、アクセスログIPアドレスを解析することで、トラッキングすることも技術的には可能です。が、可変IPアドレスの利用者が多いため、一般的にはクッキーを用いてトラッキングします

*2:はてなプライバシーポリシー「(8)第三者のトラッキングシステム」

*3:というか、しています。はてなブックマークの公開APIを利用して、自動ブクマするボットを以前作ったので

*4:たとえば、「Google Adsense」や「Google analytics」が、トラッキングしています。しかし、次の事後問題がないため、今回のように問題視されていないのです

*5:ただし、正確に言うと、前者と後者が結合されうる問題、後者から前者を特定されうる問題などはあります。が、そうした話題に触れるのは、次回にしたいと思います

*6:この段落は、コメント欄での指摘を受けて、追加しました

「はてなブログ」でもブログを始めました

概要

 最近オープンした「はてなブログ」のほうでも、こことは別にブログを書き始めました。内容は、制作中のノベルゲームのことを主に書く予定です。より詳しくはリンク先の開始ブログに書いてあります。

 「ライトソフト」というのは、ノベルゲーム用のサークル名です。他の人が参加することを視野に入れて、「萌え理論」とは別名義にしました。こちらもよろしくお願いします。

はてブのトラッキング問題で、はてなはアドバンテージを失った

概要

はてブのトラッキング問題とは?

 そもそも、問題の所在が分かりにくいので、はじめにカンタンにご説明します。

 半年前くらいから、Webサービスはてなブックマークボタン」は、「ターゲティング(対象を絞った)広告」のために、「トラッキング(行動履歴の取得)」をしているようです。

 具体的には、ユーザがブラウザで閲覧したページの履歴などの情報を、「マイクロアド」がクッキーで取得しているらしいです。というとわれわれは、「セキュリティの問題は生じないのだろうか?」という疑問が湧いてきます。

 下記リンクを見ますと、個人を特定する情報(生年月日、メールアドレスなど)は収集しておらず、「JIAA(インターネット広告推進協議会)」のガイドラインを守っている(ため、問題ない)、とはてな側は説明しています。

 しかし、セキュリティの専門家である高木浩光氏らが問題視したため、はてブやはてダなど、はてな内部のコミュニティでも話題になっています。そこで、この記事で私もコメントするわけです。

 ちなみに、他サービスでは、アクセス解析ツール「忍者ツールズ」も、マイクロアドのトラッキングがされていると指摘されています。より詳しい説明、トラッキングの回避策については、下記のリンクをご覧ください。

感想

はてなはアドバンテージを失った

 トラッキングに関する技術的な問題は、専門家たちに任せるとして、はてなのユーザとして大ざっぱな感想を述べたいと思います。

 かりに、はてなが説明するように、セキュリティ上の実害がないとしても、ユーザとしては面白くありません。それはなぜか。

 たとえば、はてなダイアリーでは「Javascript」が禁止されています。このため、他のブログでは使えるのに、はてダではブログパーツが使えなかったりします。

 やはり技術的な詳細は省きますが、抜け道はあるようです。たとえば、ブログパーツに「Google Gadgets」を入れて、そこを経由して実行するとか。しかし、もしできるとしても、規約などで別の問題も生じそうだし、なによりコソコソする時点で不満です。他のブログなら、たんにコピペして使えるのだから。

はてなダイアリーXSS対策 - はてなダイアリーのヘルプ

 なぜ、Javascriptが禁止されているかといえば、「XSS対策」というセキュリティ上の理由から、という説明がなされています(上記リンク参照)。

 今までわれわれは、この説明でそれなりに納得していました。はてなでは、ユーザの自由度は制限される。けれどそのかわり、セキュリティの安全性が保証されているのだと。

 ところが、今回のトラッキング問題で、運営がみずから情報を渡していることが明らかになりました。それは、「公認されたセキュリティ・ホール」だとは言えないでしょうか。

 そして、運営が公式にやることは、ユーザ全員が対象になるわけだから、穴の中でも最大の穴です。そうしてセキュリティの大義名分を捨てては、ユーザには不自由さだけが残ります。

 トラッキングが収益目的なのは分かりやすいですが、Javascriptの禁止が間接的にマネタイズにつながっている面もあるでしょう。

 なぜなら、「Google Adsense」といった広告を、独占的に掲載できるからです。それも、規約のレベルではなく、動作のレベルで。トラッキングの開始と同時期に、「Google Adsense」の掲載が始まっています(上記リンク参照)。ユーザに還元されるのは「Amazon アソシエイト」のほうだけで、アドセンスのほうの収益は運営に入ります。

はてなが上場目指しCFOを公募、年収最大1200万円 4社がサイトで幹部募集 - ITmedia ニュース

 このように、はてながマネタイズに走るのは、上場を目指しているからでしょう(上記リンク参照)。しかし、ユーザ側にはメリットが感じられません。セキュリティの信頼性が消えて、不自由さは残るというのでは、他サービスに対するはてなのアドバンテージは失われます。

新はてなダイアリーの裏側

 もっとも、やはり去年末にオープンした「はてなブログ」では、XSS対策のためサブドメイン制にしたことで、Javascriptが使用できるようになりました。そのかわりトラッキングも行われているようです。それでも、他のブログサービスなら最初からJavascriptが使えるから、やはりトラッキングの問題がまるまる残って不満です。

 そこで私は、ささやかな消極的抗議(ストライキ)として、自分のはてなブックマーク数を減らしていきます。サブアカウントの「ama2」と「moe2」、合わせて約8千をすでに消去しました。どうせボットでブクマしたものなので。

 メインアカウントの「sirouto2」は、アウトポート/インポート機能を利用して、コメントだけ全消去しました。あとは、情報の整理をかねて、手動で細々と消していくつもりです。

 はてなが、アメリカのIT企業を指向するのはいいのですが、「evil」な部分はマネして欲しくないと思います。

追記・補足

 要するに、マスオさん風に一言でまとめると、「えぇ〜! それじゃ、はてなはユーザにJavascriptを禁止しておいて、自分で情報を渡しているのかい?」と言いたいのです。

 ただ、他サービスのユーザはもちろん、はてなユーザでも分かりにくいところがあると思うので、補足説明します。

 現在、このブログで表示している「↑B」は、「はてなブックマークボタン」ではありません。「この記事を含むブックマークアイコン」です。こちらはトラッキングしていないので大丈夫です。

 そして、上のオプトアウト版ボタンは、外部サービス用なので、はてなダイアリーのユーザは選べません。管理画面の「設定」→「記事の設定」→「記事共有ボタン」→「はてなブックマークボタンを表示」の部分のチェックを外して、使用を止めることはできます。

 しかし、はてなブックマークを利用していれば、外部サイトでブックマークするだろうから、結局は関係してきます。しかも、ブックマークボタンからブックマークしなくても、それを設置したサイトが表示された時点で、情報が取得されています。そして、ほかのソーシャルボタンのサービスでは、アクセスログは残っても、トラッキングまではされていないのです。

 だから、消極的な形であれ、反発しているのです。

追記2・運営側が声明を発表しました

 この記事を書いたちょうど翌日、はてなの運営が声明を発表しました。それによると、「行動情報の第三者提供」を中止したとのことです。私はもちろん、この対応を支持いたします。

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